まさかの結末で連覇を逃した鹿島。その要因を振り返って検証する必要があるのはもちろんだが、同時に今季が終わった瞬間から来季への戦いはすでに始まっている。そこで、今回は鹿島が再び王者となるために必要な戦力面のことを、主に3つのポイントから述べていきたい。

①現有戦力の維持、余剰戦力の整理

現在の鹿島の陣容
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 まず今季の鹿島は決して戦力的に明らかに足りなかった部分があった訳ではない。むしろ、シーズン前の大型補強により戦力はリーグトップクラスであり、十分優勝に値するだけの戦力は持っていたのである。次に以下の選手表を見ていただきたい。

2009
※小澤英明、※パク・チュホ、※ダニーロ、※増田誓志、青木剛、※田代有三、大迫勇也

2017
クォン・スンテ、伊東幸敏、永木亮太、小笠原満男、ペドロ・ジュニオール、鈴木優磨、安部裕葵

これは2009年のリーグ3連覇を決めた試合と昨日の磐田戦のベンチメンバーである。こう見ていると、2009年も今季もベンチメンバーからして非常に質の高い面々を揃えていたことが分かる。ただ、2009年の場合は※がついた選手は翌シーズンは他クラブでプレーした選手になっており、つまりベンチメンバーの半分以上がチームを離れているのである。2010年は結果としてこのバックアップの層の薄さが4連覇を逃す要因の一つになってしまったことは否めないであろう。このことからも見る限り、レギュラーメンバーだけでなく、バックアッパーの質の確保も奪冠に向けては大きなポイントになってくる。幸い、今季は質の高い面々が揃っているだけに、まずはチームの現有戦力の質を維持することが何より大切になってくるだろう。

 また、それと同時に今季チャンスを得られなかった面々、そしてレンタル移籍中の面々の処遇も考えねばならないところである。プロに入りたての若手ならまだしも、チーム内の競争に加われていない選手をチームに置いておくことは必ずしもプラスとは言えない。そうした選手たちに競争の場が与えられるのか、出場機会を与えられる場所を提供できるのかもチームにとっては解決しなければならない課題の一つであることは間違いない。

②即戦力CBの確保

 今季の戦力を維持したうえで、さらに補強しなければならないポイントがいくつかある。その一つがCBだ。今季は植田と昌子という絶対的レギュラーとポジションを争える人材がおらず、苦しいやりくりを強いられたポジションの一つだ。植田と昌子は来季も代表などで離脱することも考えられるし、連戦を考慮すればケガの心配もある。チームは現在、三竿健のコンバートや若手の町田、ブラジル人のブエノといった選択肢があるが、出来るならここに植田と昌子に割って入る実力者が欲しいところだ。そこで、筆者の見解から鹿島に合いそうな選手を3人紹介したい。

・山下達也(セレッソ大阪、30歳)
…1対1に抜群の強さを見せるCB。高さと強さを兼ね備えている。今季終盤は木本の台頭により控えに甘んじているが、日本代表候補経験もある実力者だ。

・小出悠太(ヴァンフォーレ甲府、23歳)
…今季甲府に加入した大卒ルーキー。甲府では右WBでレギュラーを掴んだが、本職はCB。178cmと上背はないが、対人に強く、またビルドアップの質も高い現代型のCBだ。

・鈴木大誠(筑波大学3年、21歳)
…即戦力ではないが、注目しておきたいCBだ。星稜高校時代は主将で全国制覇も経験、筑波大では1年次からレギュラーを掴み、DFリーダーとして活躍。ラインコントロール、対人、ビルドアップと全てにおいてレベルの高いCB。

③攻撃の幅を広げるアタッカー

 今季優勝を逃した要因の一つとして挙げられるのが、シーズン終盤の得点力不足だろう。ラスト3戦ではわずか1ゴールに終わった攻撃陣は、大岩監督就任後に中央からの崩しにも取り組み、ある程度の攻撃力を上げることに成功したが、それでも相手にひかれて手詰まりになると、そこから打開する術を失ってしまった。この課題を解決するためにも、今いる選手とは別のアタッカーを入れて、攻撃の幅を広げたいところ。特に必要なのは、高さのあるポストプレイヤー、相手DFラインと駆け引きして裏抜けできるストライカーだろう。レンタル組の復帰も含めて検討していきたいが、ここではそれ以外におすすめ選手を2人紹介したい。

・江坂任(大宮アルディージャ、25歳)
…攻撃的なポジションならどこでもこなせる万能アタッカー。ドリブル、ポストプレー、シュートとなんでもこなせるが、最も魅力的ななのはゴール前での強さ。チームに足りないクロスのターゲット役として最適の人材だろう。

・富樫敬真(横浜F・マリノス、24歳)
…裏への飛び出しと決定力に優れたストライカー。万能型でもあるが、シーズン終盤は横浜FMでFWの3番手の地位に甘んじ、ベンチ外が続いていただけに狙ってみるのも一つの手ではないだろうか。

 あくまで個人的な考えではあるがここまで書いてきた。一つ確実に言えることは、チームは様々な面でレベルアップが必要な中で、今季以上の戦力を手に入れることも必須ということだ。


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