タケゴラ

鹿島アントラーズのことを書いています

2018/02


明治安田生命J1リーグ 第1節
清水エスパルス 0-0 
鹿島アントラーズ

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 試合の入りで主導権を握ったのは清水だった。清水はDFラインから多少余裕があっても、躊躇なくクリスランをターゲットにしてロングボールを放り込んでくる。これで鹿島は最終ラインを下げられ、間延びから前線が孤立するようになってしまった。もう少しロングボールの出しどころにプレッシャーがかかれば良かったものの、2トップは開いてボールを受けるCBのケアに手一杯で、2列目斗のプレスの連動も悪く、ボランチもまたロングボールのセカンドボール回収で低い位置を取らざるを得なかった。

 それでも、CBを中心に辛抱強く跳ね返し続けると、徐々に鹿島がボールを握りだす。この日の鹿島は清水の2トップがCBに対してケアしてくる中で、三竿健か内田が下がって3枚で数的優位を作ることで対応。ここからは確実にボールを前進できていたのだが、2列目のところから中々前に運ぶことが出来なかった。理由としては前半は「外外」の攻撃にこだわってしまっていたことが原因の一つだろう。鹿島のSBがボールを持った時、SHはSBと一直線上かそれよりも外側に開いてボールを受けることが多かった。たしかに相手の守備陣形を広げるという意味では大事なことではあるが、必然的にゴールからは遠ざかってしまう。遠藤も安部も独力でサイドを打開できるプレーヤーではないのと、清水の2列目のプレスバックが素晴らしかったのも重なって、鹿島はここから手詰まりになってしまっていた。

 すると、40分にはゴール前に放り込まれたクロスに対する競り合いでレオ・シルバが石毛を倒してしまいPKを献上してしまう。この試合、レオ・シルバはパスミスこそあったものの、セカンドボールの回収率は良かっただけに、悪くはないパフォーマンスだったのだが、こうした失点に直結するプレーはどうしても印象が悪くならざるを得ないだろう。ただ、この大ピンチはクォン・スンテがスーパーセーブで防ぎ、前半をスコアレスで折り返した。

 後半から、鹿島は特に遠藤が中に絞ってプレーするようになり、徐々に攻撃に幅が生まれだし、相手を押し込んでいく。しかし、それでも中々大きなチャンスに結びつかなかったのは、清水のDFラインが全員180cmを超えており、クロスを跳ね返す力に長けていたこと、そして鹿島のFWを崩しの段階で参加させすぎて、フィニッシュに注力させられなかったことが大きかったように思える。

 4-4-2のチームがサイドから崩していく場合、基本的にはSB、ボランチ、SH、FWの4人でひし形を作ってボールを前進させていくことが定石となる。この方がサイドで数的優位が作りやすいし、そうなれば自然とボールホルダーのパスコースも増えていくことになる。ただ、この試合での鹿島は主にFWとSH、SBの3枚で崩していくシーンが多く、それが相手のPA付近まで続いていたため、クロスを上げても中にいるのはFW1枚と逆サイドのSHの2枚のみというシーンが多かった。では、本来崩しに参加して欲しいボランチは何をしていたかというと、レオ・シルバはクロスのセカンドボールを拾うためか中央に位置取ることが多く、三竿健はカウンターに備えてCBの前にいることが多かった。どちらもチームの中で決め事もあるため、このポジションニングは決して間違いではなく、むしろ正しい選択だろう。ただ、相手に高さがあり、こちらは山本投入までターゲット役で高さのある選手はFW以外にいなかった、また内田の加入によって彼がバランスを取って残ることも考えれば、後ろはCB+1枚で鹿島の選手たちなら十分守り切れるレベルはある。こうしたことを考えればやり方を変えるのも一つの手だったのではないだろうか。

 攻勢が強まったのは、終盤に土居が入ってからだった。彼は常に位置取りを相手のボランチの脇あたりに設定し、SBの上がりを引き出していた。ただ、それでもこの日の鹿島はクロスの精度をことごとく欠いたことも響いて、最後までゴールが遠く、そのままタイムアップ。今季はスコアレスドローでスタート、という形になった。

 勝ち切らなければいけない試合だったのは間違いないだろう。率直に言えば、もったいない引き分けと言わざるを得ない。ただ、それでも昨季からの変化は確実に感じられた。ボールの前進のさせ方には柔軟性が出てきたし、大岩監督も試合の中で打てる手は打っていた。出場したメンバーでパフォーマンスの良くなかった面々もこれから上がっていく可能性はあるし、まだ出番に恵まれていない面々が新たな化学反応を起こす可能性もある。シーズンはまだ始まったばかりだ。


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 水曜の水原三星戦では金崎の2ゴールで逃げ切り、今季公式戦初勝利を挙げた鹿島。この勝利を弾みにして、リーグ戦でもスタートダッシュを切りたいところ。そんな鹿島の開幕戦は、アウェイで清水と対戦する。

 清水は昨季14位。J1復帰1年目のシーズンで終盤は残留争いに巻き込まれたものの、最終節で勝利して残留を決め、今季もJ1の舞台で戦う。そんな清水は昨季限りで小林伸二前監督が退任。新たに招かれたのは、昨季広島の監督としてチームを残留に導いたヤン・ヨンソン監督。一方、補強動向を見ていくと、CBの犬飼や中盤の枝村、前線のチアゴ・アウベスらが退団したものの、CBにはファン・ソッコ、アタッカーに楠神、そして前線には仙台からクリスランを獲得しており、まずまずの陣容は整えた形である。

 昨季の清水もヤン・ヨンソン監督が率いていた広島も、ブロックを敷いた守備がベースとなっている。清水はキャンプ中でもその守備に注力して取り組んできたようで、各紙の報道だと「攻撃は未だ発展途上だが、守備に関しては上々の仕上がり」という評価が多く見られている。

 ただ、鹿島はこの相手の守備を狙いどころにしたい。たしかに、昨季の清水も広島もブロックは作れていたものの、ブロック内にボールが入ってもそこまで寄せは厳しくなく、ブロック内に入った縦パスをスイッチにして、攻撃を展開されるケースが目立っていた。鹿島も、昨季の後半戦でこの2チームと対戦した際の先制点は、共にブロックを中央から崩して奪った得点であり、もちろん安易なパスミスには気をつけなければいけないが、相手の守備を崩すためにも中央への縦パスは攻略のポイントとして意識していきたいところだ。

 守備ではカウンターからのサイド攻撃に注意したい。CBが引っ張り出されたスペースを相手の2トップに使われると厄介だ。3年前の開幕戦も清水との対戦だったが、ここで敗れて躓いたことが、スタートダッシュの失敗に繋がり、大きくシーズンの結果に響いてしまった。もうあの時の過ちは繰り返さない。これまでの鹿島を「こえる」シーズンが、始まる。

明治安田生命J1リーグ 第1節
清水エスパルス清水エスパルス
鹿島アントラーズ鹿島アントラーズ
2月25日(日) 13:00キックオフ

IAIスタジアム日本平

試合情報(清水公式サイト)
スタジアムの天気
DAZN 放送予定(12:50~)


[鹿島の前節ハイライト]


[予想フォーメーション]
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[予想スタメン]
<鹿島>
GK
1クォン・スンテ

DF
2内田篤人

5植田直通
3昌子源
16山本脩斗

MF

40小笠原満男
20三竿健斗
25遠藤康
30安部裕葵
FW

7ペドロ・ジュニオール
9鈴木優磨

SUB
GK21曽ヶ端準
DF32安西幸輝
DF39犬飼智也
MF4レオ・シルバ
MF8土居聖真
FW10金崎夢生
FW14金森健志
監督
大岩剛

欠場予想選手
DF西大伍(右膝内側側副靭帯断裂で欠場濃厚)
MFレアンドロ(左膝蓋靱帯損傷で欠場濃厚)

水原三星戦から4人変更予想だが、中3日ということもあり不透明なポジションが多い。左SB、ボランチの三竿健の相方、2列目、FWの鈴木の相方は特に、だろう。

<清水>
GK
13六反勇治
DF
28立田悠悟
3ファン・ソッコ
4フレイレ
25松原后
MF
6竹内涼
17河井陽介
30金子翔太
29石毛秀樹

FW

23北川航也
20クリスラン
SUB
GK1西部洋平
DF26二見宏志
MF2清水航平
MF14楠神順平
MF24増田誓志
FW9鄭大世
FW19ミッチェル・デューク
監督
ヤン・ヨンソン


欠場予想選手
DF鎌田翔雅(右膝前十字靭帯損傷で欠場濃厚)
DF飯田貴敬(ケガで出場微妙)
MF水谷拓磨(左鎖骨骨折で欠場濃厚)
MF西村恭史(左ハムストリングス肉離れで出場微妙)

布陣は昨季と同じ4-4-2、右SBには出場すればリーグ戦デビューの立田、前線は北川と仙台から新加入のクリスランが入る。古巣対戦となるファン・ソッコはCBで先発が濃厚、増田はベンチスタートが濃厚だ。


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 上海申花戦では攻め立てたものの、あと一押しが足りず結果的にホームでの初戦で勝点2を失う結果となってしまった鹿島。失った勝点分を巻き返すためにも、今節はアウェイながら勝利が求められる一戦だ。

 水原三星は昨季リーグ戦で3位。プレーオフを勝ち抜いてこのACLに出場してきている。鹿島とACLのグループステージで同組になるのは2011年以来3度目のことで、これまでの2回のアウェイ戦で鹿島は水原三星から勝ったことがない。

 水原三星は前節のシドニーFC戦に2-0で勝利している。その時に光っていたのは左サイドからの攻撃だ。左WBには高い左足のキック精度を持つ元清水のイ・キジェ、左のシャドーには主将で韓国代表のヨム・ギフンが控えている。彼の高さと正確な左足からのクロスは日本代表をも多いに苦しめているだけに注意が必要だろう。そして、前線にはKリーグの外国人最多得点記録、3年連続で得点王を獲得したこともあるデヤン・ダムヤノビッチがFCソウルから加入。シドニーFC戦は彼の強烈なミドルとPKで奪ったゴールで勝利している。ダムヤノビッチのフィジカル、そして正確なシュートを封じなければ鹿島に勝利はないだろう。

 鹿島としてはアウェイということもあり、やはり展開的には後手に回る時間は決して少なくないだろう。それでも耐えきれるだけの守備力は有しているだけに、訪れたチャンスをいかに仕留めるかが勝利へのカギとなってきそうだ。上海申花戦では25本ものシュートを放ったが、枠内に飛んだのはわずか5本だっただけに、相手のプレッシャーをかいくぐって、よりゴールが入りやすい形でシュートが打てるような状況作りも必要になってくるだろう。好調な鈴木とエースの金崎が2トップを組むことが予想されるだけに、彼らをターゲットにしたクロスの精度も重要だ。

 グループステージ突破のためには勝ちが必要な一戦になる。我慢強く戦い、チャンスをモノにしたい。

AFCチャンピオンズリーグ グループステージ グループH 第2節
水原三星ブルーウィングス水原三星ブルーウィングス
鹿島アントラーズ鹿島アントラーズ
2月21日(水) 19:00キックオフ
※日本時間
水原ワールドカップスタジアム

試合情報(鹿島公式サイト)
スタジアムの天気
スカパー!(日テレNEWS24) 放送予定(18:45~)


[鹿島の前節ハイライト]


[対戦相手の前節ハイライト]


[予想フォーメーション]
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[予想スタメン]
<鹿島>(2位)は累積警告
GK
1クォン・スンテ

DF
32安西幸輝

5植田直通
3昌子源
16山本脩斗

MF

4レオ・シルバ
20三竿健斗
25遠藤康
30安部裕葵
FW

10金崎夢生
9鈴木優磨

SUB
GK21曽ヶ端準
DF39犬飼智也
MF6永木亮太
MF8土居聖真
MF40小笠原満男
FW7ペドロ・ジュニオール
FW14金森健志
監督
大岩剛

欠場予想選手
DF西大伍(右膝内側側副靭帯断裂で欠場濃厚)
MFレアンドロ(左膝蓋靱帯損傷で欠場濃厚)

上海申花戦から3人変更予想。GKにクォン・スンテが入り、左SBは山本、FWには上海申花戦で出番のなかった金崎が入る。2列目は金森起用の可能性も。内田はこの遠征に帯同していない。

<水原三星>
(1位)は累積警告
GK
21ノ・ドンゴン
DF
16イ・ジョンソン
5チョ・ソンジン
20クァク・クァンソン
MF
77チョ・ジフン
25チョ・サンクェン
12クリストヴァム
23イ・キジェ
7ワグイニーニョ
26ヨム・ギフン

FW

10デヤン・ダムヤノビッチ
SUB
GK31キム・ソンウ
DF15ク・ジャリョン
MF8チョ・ウォニ
MF11イム・サンヒョブ
MF13パク・ヒョンジン
MF17キム・チョンウ
FW99チョン・セジン
監督
ソ・ジョンウォン


欠場予想選手
なし

2-0で勝利した前節のシドニーFC戦と同じスタメン予想。布陣は3-4-2-1で、左WBは元清水のイ・キジェ、左のシャドーに韓国代表のヨム・ギフン、前線にはFCソウルから加入したデヤン・ダムヤノビッチが入る。


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