今節の甲府は難しい相手だ。アウェイの戦いでの戦績は良いとは言えず、1stステージでの対戦はメンバーを入れ替えたエクスキューズはあったにせよ、当時不調のどん底にいた相手に完封負けを喫している。だが、裏を返せばそうした理由があることにより、たとえ順位が下とはいえ慢心などは生まれないはず。相手の狙う戦い方に持ち込ませず、自分たちが主導権を握って試合を進めたい。
そのためにカギとなるのが先制点だろう。甲府は守備時は5-4のブロックを作り、なるべくロースコアの戦いに持ち込んでくるはずだ。その守備を崩して点を取ることと、バレーや阿部拓といった相手の前線によるカウンターやシンプルな攻撃に注意を払い続けることが、勝利へのミッションとなるだろう。鹿島は相手が引いてくる反面、低い位置では自由にボールを持つことができるし、また前線のバレーはあまり守備に参加してこない。さらに、5枚のラインと4枚のラインの間のスペースにボールが入ったときに、誰がプレスに行くのかなどの役割分担はあまりハッキリしていない傾向がある。鹿島としては2ボランチを中心に、ビルドアップから変化をつけることで相手の守備陣形を広げ、先述した相手の守備のギャップでボールを前を向いて受けることでチャンスを作り出していきたい。
自分たちがボールを持っている間も、DFラインは高いライン設定で相手を自陣から遠ざけながら、リスク管理に気をつけたいところだ。なかなか上手くいかなくても我慢強く攻め続け、守り続けること、チャンスがあれば勢いよく相手にプレスをかけ、相手ゴールに迫ること。この両極端にも思える意識が両立ができれば、中銀スタに鹿島の歓喜の声が響き渡ることは十二分に可能だろう。
2015明治安田生命J1リーグ 2ndステージ 第11節
ヴァンフォーレ甲府-鹿島アントラーズ
9月19日(土) 17:00キックオフ
山梨中銀スタジアム
試合情報(甲府公式サイト)
スタジアムの天気
スカパー!放送予定(16:50~ J SPORTS 3[BS244])
スカパー!オンデマンド配信リンク(16:50~)
[対戦相手情報]
ヴァンフォーレ甲府
2015シーズン(年間):14位 勝点29 27試合8勝5分14敗 20得点34失点
2015シーズン(2nd):14位 勝点9 10試合2勝3分5敗 8得点12失点
鹿島との対戦データ
初の3季連続J1の舞台で戦う今季は、引き続き残留を目標にスタートしたものの樋口前監督の下では攻撃力アップに取り組んだものの、その効果は出ずに却って守備の安定を欠く結果になってしまった。そのため、クラブは樋口前監督を解任し、佐久間GMの監督就任を発表。守備を固めてカウンターという、原点回帰の戦い方にシフトしたクラブは、開幕後に復帰したM・パラナとバレーがフィットしてきたことも重なり、連勝を記録して降格圏から脱出して1stステージを終えた。2ndステージも1stステージ終盤ほどの勢いはないため残留争いを完全に脱出できたわけではないが、確実に勝点を積み重ねて残留圏内をキープしている。守備は佐久間監督就任後GKを務める河田を中心に、土屋、山本、津田という30オーバーの3バックが粘りを見せている。また、攻撃ではバレーと阿部拓の2枚看板が軸であり、また橋爪や稲垣、下田、現在は離脱中だが伊東といった若手の奮闘も見逃せない。9月は今節を含めて3試合連続ホームでの試合が続く。甲府としては、前節は川崎Fに一度は追いつきながらも敗れているだけに、何とかホームで残留に繋がる勝点3が欲しいところ。鹿島としては、昨季は大雪で実現しなかった中銀スタでの試合。ここまでわずか1勝、年数にすると7年間勝ちがないが、上位に食らいつくためにも勝点3が求められる一戦だ。
・メンバーリスト
ポジ | 番号 | 選手名 | 試合-得点 |
GK | 1 | 荻晃太 | 11-20 |
21 | 河田晃兵 | 16-14 | |
31 | 岡西宏祐 | 0-0 | |
32 | 中村将(2種) | 0-0 | |
DF | 2 | 福田健介 | 0-0 |
3 | 畑尾大翔 | 13-0 | |
4 | 山本英臣 | 23-0 | |
16 | 松橋優 | 12-0 | |
17 | 津田琢磨 | 20-0 | |
26 | 熊谷駿 | 0-0 | |
27 | 阿部翔平 | 27-1 | |
28 | 橋爪勇樹 | 13-0 | |
33 | 西山雄介(特別指定) | 0-0 | |
41 | 土屋征夫 | 15-0 | |
MF | 6 | マルキーニョス・パラナ | 20-0 |
7 | 石原克哉 | 11-0 | |
8 | 新井涼平 | 19-0 | |
13 | 秋吉泰佑 | 0-0 | |
14 | 堀米勇輝 | 10-0 | |
18 | 下田北斗 | 16-1 | |
23 | 稲垣祥 | 26-0 | |
30 | 保坂一成 | 7-0 | |
FW | 9 | 阿部拓馬 | 24-5 |
10 | バレー | 15-6 | |
11 | マラニョン | 1-0 | |
15 | 伊東純也 | 24-4 | |
19 | 盛田剛平 | 13-0 | |
24 | 松本大輝 | 10-0 | |
監督 | 佐久間悟 | 1年目 |
・直近5試合の結果
大会 | 相手 | 会場 | スコア | 得点者 |
明治安田生命J1 2nd第7節 | 横浜FM | 日産ス | ●0-2 | (横浜FM)三門、ラフィーニャ |
明治安田生命J1 2nd第8節 | 神戸 | 中銀スタ | ○1-0 | (甲府)バレー |
明治安田生命J1 2nd第9節 | 柏 | 柏 | △2-2 | (柏)クリスティアーノ、工藤 (甲府)阿部拓、O.G. |
天皇杯 2回戦 | 順天堂大 | 中銀スタ | ○3-2 | (甲府)橋爪、保坂、阿部拓 (順大)原田、杉田 |
明治安田生命J1 2nd第10節 | 川崎F | 中銀スタ | ●1-3 | (甲府)バレー (川崎F)大久保、田坂、杉本 |
・鹿島との対戦成績(リーグ戦のみ)
節 | 会場 | スコア | 得点者 |
2013年 第7節 | カシマ | △ 鹿島 0-0 甲府 | |
2013年 第25節 | 中銀スタ | ● 甲府 3-0 鹿島 | (甲府)柏、佐々木、パトリック |
2014年 第1節 | 国立 | ○ 甲府 0-4 鹿島 | (鹿島)ダヴィ2、遠藤、昌子 |
2014年 第20節 | カシマ | ○ 鹿島 1-0 甲府 | (鹿島)柴崎 |
2015年 1st第9節 | カシマ | ● 鹿島 0-1 甲府 | (甲府)伊東 |
[前回対戦時のハイライト]
[対戦相手の前節ハイライト]
[予想フォーメーション]
[予想スタメン]
<鹿島>(年間:5位、2nd:2位) ※()は2015年リーグ戦の記録、■は累積警告
GK
21曽ヶ端準(17試合18失点)
DF
22西大伍(24試合0得点6アシスト)■■
14ファン・ソッコ(20試合0得点0アシスト)■
5青木剛(18試合0得点1アシスト)
16山本脩斗(21試合2得点1アシスト)■
MF
40小笠原満男(22試合1得点1アシスト)■
20柴崎岳(22試合5得点9アシスト)
25遠藤康(25試合5得点4アシスト)■■
7カイオ(25試合7得点3アシスト)■■
FW
11ダヴィ(7試合0得点0アシスト)
33金崎夢生(21試合6得点2アシスト)
SUB
GK1佐藤昭大(10試合17失点)■
DF4山村和也(10試合0得点1アシスト)■■
DF23植田直通(12試合1得点0アシスト)
MF8土居聖真(25試合6得点4アシスト)
MF13中村充孝(13試合1得点0アシスト)
FW18赤﨑秀平(17試合6得点0アシスト)■
FW34鈴木優磨(1試合1得点0アシスト)
監督
石井正忠
欠場予想選手
DF昌子源(右膝を痛めて出場微妙)
FWジネイ(右膝前十字靭帯と右膝半月板の損傷で欠場濃厚)
前節から、ボランチに出場停止明けの柴崎、2列目にカイオが入り、また赤﨑が練習中に違和感を訴えたとのことで2トップの一角にダヴィや土居が起用される可能性がありそうだ。CBも植田が先発の可能性がある。
【KEY MAN】
DFファン・ソッコ
…速さ・強さ・高さとCBに必要な能力を兼ね備える万能型DF。今節は相手エースのバレーとの対峙で、ここまで苦しんできた対人の要素で真価が試されるほかにも、自身がボールを持てる機会が長くなることが予想されるためビルドアップにも期待がかかる。
<甲府>(年間:14位、2nd:14位) ※()は2015年リーグ戦の記録
GK
21河田晃兵(16試合14失点)
DF
41土屋征夫(15試合0得点)
4山本英臣(23試合0得点)
17津田琢磨(20試合0得点)
MF
6マルキーニョス・パラナ(20試合0得点)
18下田北斗(16試合1得点)
16松橋優(12試合0得点)
27阿部翔平(27試合1得点)
23稲垣祥(26試合0得点)
9阿部拓馬(24試合5得点)
FW
10バレー(15試合6得点)
SUB
GK1荻晃太(11試合20失点)
DF28橋爪勇樹(13試合0得点)
MF7石原克哉(11試合0得点)
MF14堀米勇輝(10試合0得点)
MF30保坂一成(7試合0得点)
FW11マラニョン(1試合0得点)
FW19盛田剛平(13試合0得点)
監督
佐久間悟
欠場予想選手
MF新井涼平(股関節を痛め出場微妙)
FW伊東純也(左大腿二頭筋筋挫傷で欠場濃厚)
前節と先発は変わらない見込み。SUBも前節と変わらない可能性が高く、右サイドをこなす橋爪、ベテランの石原、アタッカーの堀米、マラニョン、ボランチの保坂、長身の盛田が入るだろう。
[要注意選手]
FWバレー
…9年ぶりに復帰した甲府初のJ1昇格の立役者でもあるエース。前回所属時ほどのスピードはないが、190cmの長身と類稀なるフィジカルを活かしたポストプレーは健在。ここまで途中加入ながらチームトップの6得点を挙げている。鹿島としては前節のパトリックに続き苦手なタイプのFWとの対戦だが、チームで連動してこの男を抑え込みたいところだ。
<明治安田生命J1 2nd第11節 対戦カード>
日付 | 時間 | 対戦カード | 会場 |
9/19(土) | 17:00 | 甲府-鹿島 | 中銀スタ |
18:30 | 仙台-湘南 | ユアスタ | |
19:00 | 川崎F-名古屋 | 等々力 | |
横浜FM-FC東京 | 日産ス | ||
清水-浦和 | エコパ | ||
神戸-新潟 | 神戸ユ | ||
広島-鳥栖 | Eスタ | ||
9/20(日) | 14:00 | 松本-G大阪 | 松本 |
19:00 | 柏-山形 | 柏 |
<年間 順位> ※暫定
順位 | チーム | 試合 | 勝点 | 得点 | 失点 | 得失 |
1 | サンフレッチェ広島 | 27 | 58 | 57 | 27 | 30 |
2 | 浦和レッズ | 27 | 58 | 51 | 29 | 22 |
3 | FC東京 | 27 | 53 | 38 | 26 | 12 |
4 | ガンバ大阪 | 27 | 50 | 40 | 26 | 14 |
5 | 鹿島アントラーズ | 27 | 44 | 46 | 35 | 11 |
6 | 川崎フロンターレ | 27 | 44 | 46 | 39 | 7 |
7 | 横浜F・マリノス | 27 | 41 | 37 | 27 | 10 |
8 | 柏レイソル | 27 | 37 | 36 | 34 | 2 |
9 | 湘南ベルマーレ | 27 | 37 | 32 | 34 | -2 |
10 | 名古屋グランパス | 27 | 36 | 32 | 34 | -2 |
11 | ヴィッセル神戸 | 27 | 32 | 35 | 34 | 1 |
12 | ベガルタ仙台 | 27 | 30 | 39 | 38 | 1 |
13 | サガン鳥栖 | 27 | 30 | 33 | 51 | -18 |
14 | ヴァンフォーレ甲府 | 27 | 29 | 20 | 34 | -14 |
15 | アルビレックス新潟 | 27 | 26 | 33 | 48 | -15 |
16 | 松本山雅FC | 26 | 22 | 24 | 44 | -20 |
17 | 清水エスパルス | 27 | 21 | 31 | 48 | -17 |
18 | モンテディオ山形 | 26 | 18 | 18 | 40 | -22 |
<2ndステージ 順位> ※暫定
順位 | チーム | 試合 | 勝点 | 得点 | 失点 | 得失 |
1 | サンフレッチェ広島 | 10 | 24 | 28 | 11 | 17 |
2 | 鹿島アントラーズ | 10 | 22 | 19 | 10 | 9 |
3 | 柏レイソル | 10 | 19 | 14 | 9 | 5 |
4 | FC東京 | 10 | 18 | 14 | 8 | 6 |
5 | ガンバ大阪 | 10 | 18 | 16 | 13 | 3 |
6 | 浦和レッズ | 10 | 17 | 12 | 12 | 0 |
7 | 横浜F・マリノス | 10 | 15 | 16 | 10 | 6 |
8 | 湘南ベルマーレ | 10 | 15 | 12 | 10 | 2 |
9 | 川崎フロンターレ | 10 | 14 | 14 | 13 | 1 |
10 | 名古屋グランパス | 10 | 14 | 14 | 16 | -2 |
11 | ヴィッセル神戸 | 10 | 13 | 18 | 15 | 3 |
12 | アルビレックス新潟 | 10 | 12 | 13 | 15 | -2 |
13 | サガン鳥栖 | 10 | 10 | 11 | 19 | -8 |
14 | ヴァンフォーレ甲府 | 10 | 9 | 8 | 12 | -4 |
15 | 清水エスパルス | 10 | 8 | 9 | 16 | -7 |
16 | ベガルタ仙台 | 10 | 7 | 12 | 18 | -6 |
17 | 松本山雅FC | 9 | 7 | 7 | 18 | -11 |
18 | モンテディオ山形 | 9 | 4 | 4 | 16 | -12 |
<CS トーナメント表> ※暫定
<ゴールランキング> ※暫定
順位 | 選手名 | チーム | ゴール |
1 | 宇佐美貴史 | G大阪 | 18 |
2 | 大久保嘉人 | 川崎F | 16 |
3 | ドウグラス | 広島 | 15 |
豊田陽平 | 鳥栖 | ||
5 | クリスティアーノ | 柏 | 11 |
大前元紀 | 清水 | ||
佐藤寿人 | 広島 | ||
8 | 武藤雄樹 | 浦和 | 10 |
武藤嘉紀 | FC東京 | ||
10 | レナト | 川崎F | 9 |
ピーター・ウタカ | 清水 | ||
パトリック | G大阪 | ||
レアンドロ | 神戸 |