鳥栖と言えば、やはり豊富な運動量をベースにしたキック&ラッシュのスタイルが最大の持ち味であることに間違いはないだろう。しっかりとした守備ブロックを作り前線からどんどんプレスをかけてボールを奪い取り、奪ったボールを素早くサイドの裏のスペースやターゲットとなる豊田に蹴り込み、そこから攻撃を展開させていく。シンプルではあるが、時に分かっていても止められないのがこのスタイルの特徴である。また、今節はボランチの藤田が出場停止、岡本がケガのため、ロングスローや繋ぎの部分では脅威が減るが、代わりに入ることが予想される高橋や谷口はフィジカルに自信を持つタイプなため、ゴール前ではより注意度を高めなければならないだろう。そうした鳥栖の攻撃を防ぐのに大切なのは、やはりここ2戦機能しているDFラインを高く保つことだろう。鳥栖の圧力に押し負けて、ラインを下げてしまえばより危険度が高まるだけに、裏のスペースのケアを怠らず勇気を持ってラインを上げることが必要になってくる。そうした意味ではCBの植田と昌子が豊田に満足にポストプレーをさせないことがカギになってくるだろう。
一方、攻撃に移ればやはり意識したいのは前節でも挙げた縦パスである。鳥栖がプレスをかけた後には必然的にDFラインと中盤との間にスペースが生まれることになる。そこのスペースに縦パスを入れて前を向くことが出来れば、チャンスは生まれやすくなるだろう。もちろん闇雲に入れるのは良くないが、最終ラインからでもある程度のリスクを負って縦パスを入れることが必要になってくるだろう。また、出してだけでなく受け手である特に土居には積極的に受けて前を向いて攻撃に向かってほしいところである。先制点を挙げることが出来れば、前に出てきた相手を逆手にとってカウンターを仕掛けることも可能だろう。
今節、まず鹿島には何よりも勝利が求められる一戦である。昨季は最終節で敗れ、目の前で優勝を決められた苦い思い出がある。引退する中田のためにも、今回は勝って送り出したいところ。そして、一つの目標のために一丸となって戦い続けてきたチーム、スタッフ、ホームタウン、サポーターのためにも勝って今季を締めくくりたいところ。全てを出し切り、やりきったその先に最大のSPECTACLEが待っているはずだ。
2014 Jリーグディビジョン1 第34節
鹿島アントラーズ-サガン鳥栖
12月6日(土) 15:30キックオフ
県立カシマサッカースタジアム
試合情報(鹿島公式サイト)
スタジアムの天気
NHK BS1(ch102)放送予定(15:30~)
NHK水戸 放送予定(15:25~)
スカパー!放送予定(15:20~ J SPORTS 3)
スカパー!オンデマンド配信リンク(15:20~)
NHK BS1放送予定(19:00~ ※録画)
<優勝の条件>
・G大阪
勝ち:優勝確実
分け:浦和が分け以下+鹿島が1点差勝ちか分け以下
負け:浦和が負け+鹿島が分け以下
・浦和
勝ち:G大阪が分け以下(G大阪勝ちだと得失点差の関係で可能性小)
分け:G大阪負け+鹿島分け以下
負け:G大阪負け+鹿島分け以下だが得失点差の関係で可能性小
・鹿島
2点差以上で勝ち:G大阪と浦和が共に分け以下
1点差勝ち:G大阪が負け+浦和が分け以下
[対戦相手情報]
サガン鳥栖
4位 勝点57 33試合18勝3分12敗 40得点33失点
鹿島との対戦データ
夏場は首位に立っていたが、監督の電撃交代というアクシデントもありそこから苦戦を強いられたが、終盤戦に粘り強さを見せて上位に踏みとどまった。監督交代後も運動量をベースにしたスタイルは変わらず、エースの豊田は現在15ゴールでゴールランキング2位と好調を維持している。前節は浦和を相手に先制を許した上に10人となったものの、ATに同点に追いつく粘りを発揮。優勝の可能性はなくなったが、他力でACL出場権獲得の可能性がある4位をキープした。今節は主将の藤田、DFリーダーの菊地、ボランチの岡本と主力3人を欠くが、目の前での胴上げ阻止と4位キープのためにも勝利を目指す。
・直近5試合の結果
大会 | 対戦相手 | 会場 | スコア | 得点者 |
J1第29節 | 川崎F | 等々力 | ●0-2 | (川崎F)田中、小林 |
J1第30節 | 新潟 | ベアスタ | ●0-2 | (新潟)指宿、田中達 |
J1第31節 | 神戸 | ベアスタ | ○2-1 | (鳥栖)豊田2 (神戸)石津 |
J1第32節 | 徳島 | 鳴門大塚 | ○1-0 | (鳥栖)安田 |
J1第33節 | 浦和 | ベアスタ | △1-1 | (鳥栖)小林 (浦和)阿部 |
・鹿島との対戦成績(直近5試合、リーグ戦のみ)
節 | 会場 | スコア | 得点者 |
2012年 第10節 | カシマ | △ 鹿島 0-0 鳥栖 | |
2012年 第20節 | ベアスタ | ● 鳥栖 2-0 鹿島 | (鳥栖)水沼、豊田 |
2013年 第1節 | ベアスタ | △ 鳥栖 1-1 鹿島 | (鳥栖)豊田 (鹿島)大迫 |
2013年 第32節 | カシマ | ● 鹿島 1-2 鳥栖 | (鹿島)青木 (鳥栖)金民友2 |
2014年 第3節 | ベアスタ | ○ 鳥栖 0-3 鹿島 | (鹿島)青木、土居、豊川 |
[前回対戦時のハイライト]
J1第3節 ○ 鳥栖 0-3 鹿島 ([鹿島]青木、土居、豊川)
[対戦相手の前節ハイライト]
J1第33節 △ 鳥栖 1-1 浦和 ([鳥栖]小林 [浦和]阿部)
[予想フォーメーション]
[予想スタメン]
<鹿島>(3位) ※()は2014年リーグ戦の記録
GK
21曽ヶ端準(33試合38失点)
DF
22西大伍(22試合3得点)
23植田直通(19試合0得点)
15昌子源(33試合2得点)
16山本脩斗(31試合1得点)
MF
40小笠原満男(32試合2得点)
20柴崎岳(33試合6得点)
25遠藤康(29試合10得点)
28土居聖真(33試合8得点)
19豊川雄太(16試合2得点)
FW
18赤﨑秀平(14試合5得点)
SUB
GK1佐藤昭大(0試合0失点)
DF5青木剛(18試合1得点)
MF7ジョルジ・ワグネル(8試合0得点)
MF8ルイス・アルベルト(15試合2得点)
MF10本山雅志(11試合0得点)
MF13中村充孝(13試合2得点)
MF32杉本太郎(4試合0得点)
監督
トニーニョ・セレーゾ
欠場予想選手
MFカイオ(出場停止)
FWダヴィ(左膝前十字靭帯損傷、左膝外側半月板損傷で欠場濃厚)
今節はカイオが出場停止。左SHには豊川が入るだろう。サブには今季限りで引退となる中田のベンチ入りとJ・ワグネル、本山の復帰を予想。
→中田はベンチ外との報道あり
【KEY MAN】
MF小笠原満男
…35歳となった今季もピッチでチームを引っ張り続けた闘将。今節は彼がセカンドボールをいかに拾い、縦パスをいかに入れられるかがカギになってくる。同期の中田が引退するとあって、これまで以上に鬼気迫るプレーが期待できそうだ。
<鳥栖>(4位) ※()は2014年リーグ戦の記録
GK
33林彰洋(33試合33失点)
DF
15丹羽竜平(33試合1得点)
4小林久晃(10試合1得点)
2キム・ミンヒョク(26試合0得点)
13安田理大(32試合1得点)
MF
28高橋義希(29試合0得点)
29谷口博之(27試合2得点)
8水沼宏太(31試合4得点)
22池田圭(32試合5得点)
10金民友(33試合6得点)
FW
11豊田陽平(33試合15得点)
SUB
GK1赤星拓(0試合0失点)
DF5坂井達弥(9試合0得点)
DF35金井貢史(6試合0得点)
MF16崔誠根(6試合0得点)
MF18清武功暉(2試合0得点)
MF25早坂良太(27試合3得点)
FW9播戸竜二(5試合0得点)
監督
吉田恵
欠場予想選手
DF菊地直哉(出場停止)
MF岡本知剛(右大腿ハムストリングス筋損傷で欠場濃厚)
MF藤田直之(出場停止)
今節は菊地と高橋が出場停止、岡本がケガで欠場濃厚だ。CBには前節同点弾を決めた小林が入り、ボランチには運動量が武器の高橋と高い身体能力を持つ谷口が入るだろう。サブには日本代表経験のある坂井やユーティリティープレーヤーの金井、ロングスロー、プレースキックが武器の清武らが新たに入ると予想したが、左SBのベテラン磯崎やアタッカーの菅沼、特別指定のボランチ福田らが入る可能性もある。
[要注意選手]
FW豊田陽平
…鳥栖の絶対的エース。その献身的な姿勢とフィジカル、ヘディングの強さ、そして勝負どころでの決定力は相手にとって脅威以外の何物でもない。ここ2試合はゴールがないが、得点王まであと1ゴールと迫っており、今節は勝利と共に得点王のタイトルも狙う。
[DATA] ※第33節終了時
<J1第34節 対戦カード>
日付 | 時間 | 対戦カード | 会場 |
12/6(土) | 15:30 | 鹿島-鳥栖 | カシマ |
浦和-名古屋 | 埼玉 | ||
大宮-C大阪 | NACK | ||
F東京-横浜FM | 味スタ | ||
新潟-柏 | デンカS | ||
清水-甲府 | アイスタ | ||
神戸-川崎F | ノエスタ | ||
広島-仙台 | Eスタ | ||
徳島-G大阪 | 鳴門大塚 |
<順位>
順位 | チーム | 試合 | 勝点 | 得点 | 失点 | 得失 |
1 | ガンバ大阪 | 33 | 62 | 59 | 31 | 28 |
2 | 浦和レッズ | 33 | 62 | 51 | 30 | 21 |
3 | 鹿島アントラーズ | 33 | 60 | 64 | 38 | 26 |
4 | サガン鳥栖 | 33 | 57 | 40 | 33 | 7 |
5 | 柏レイソル | 33 | 57 | 46 | 40 | 6 |
6 | 川崎フロンターレ | 33 | 52 | 54 | 42 | 12 |
7 | 横浜F・マリノス | 33 | 50 | 36 | 28 | 8 |
8 | FC東京 | 33 | 47 | 46 | 32 | 14 |
9 | サンフレッチェ広島 | 33 | 47 | 42 | 37 | 5 |
10 | ヴィッセル神戸 | 33 | 45 | 48 | 48 | 0 |
11 | 名古屋グランパス | 33 | 45 | 45 | 47 | -2 |
12 | アルビレックス新潟 | 33 | 44 | 30 | 34 | -4 |
13 | ヴァンフォーレ甲府 | 33 | 40 | 27 | 31 | -4 |
14 | ベガルタ仙台 | 33 | 38 | 35 | 48 | -13 |
15 | 清水エスパルス | 33 | 35 | 42 | 60 | -18 |
16 | 大宮アルディージャ | 33 | 32 | 42 | 60 | -18 |
17 | セレッソ大阪 | 33 | 31 | 36 | 46 | -10 |
18 | 徳島ヴォルティス | 33 | 13 | 16 | 74 | -58 |
<ゴールランキング>
順位 | 選手名 | チーム | ゴール数 |
1 | 大久保嘉人 | 川崎F | 16 |
2 | 豊田陽平 | 鳥栖 | 15 |
3 | マルキーニョス | 神戸 | 14 |
4 | 武藤嘉紀 | F東京 | 13 |
4 | ペドロ・ジュニオール | 神戸 | 13 |
4 | ノヴァコヴィッチ | 清水 | 13 |
7 | 興梠慎三 | 浦和 | 12 |
7 | 小林悠 | 川崎F | 12 |
9 | エドゥー | F東京 | 11 |
9 | 永井謙佑 | 名古屋 | 11 |
9 | 佐藤寿人 | 広島 | 11 |
<残留争いの行方>
大宮勝ち | 大宮分け | 大宮負け | |
清水勝ち | 清水残留 | 清水残留 | 清水残留 |
清水分け | 清水残留 | 清水残留 | 清水残留 |
清水負け | 大宮残留 | 清水残留 | 清水残留 |