タケゴラ

鹿島アントラーズのことを書いています

2014/12

 いよいよ、2014シーズンのJ1も最終節を残すのみとなった。前節、残留を争っていたC大阪に大勝し、3連勝を飾った鹿島は優勝の可能性を残したまま、カシマに鳥栖を迎え撃つ。

 鳥栖と言えば、やはり豊富な運動量をベースにしたキック&ラッシュのスタイルが最大の持ち味であることに間違いはないだろう。しっかりとした守備ブロックを作り前線からどんどんプレスをかけてボールを奪い取り、奪ったボールを素早くサイドの裏のスペースやターゲットとなる豊田に蹴り込み、そこから攻撃を展開させていく。シンプルではあるが、時に分かっていても止められないのがこのスタイルの特徴である。また、今節はボランチの藤田が出場停止、岡本がケガのため、ロングスローや繋ぎの部分では脅威が減るが、代わりに入ることが予想される高橋や谷口はフィジカルに自信を持つタイプなため、ゴール前ではより注意度を高めなければならないだろう。そうした鳥栖の攻撃を防ぐのに大切なのは、やはりここ2戦機能しているDFラインを高く保つことだろう。鳥栖の圧力に押し負けて、ラインを下げてしまえばより危険度が高まるだけに、裏のスペースのケアを怠らず勇気を持ってラインを上げることが必要になってくる。そうした意味ではCBの植田と昌子が豊田に満足にポストプレーをさせないことがカギになってくるだろう。

 一方、攻撃に移ればやはり意識したいのは前節でも挙げた縦パスである。鳥栖がプレスをかけた後には必然的にDFラインと中盤との間にスペースが生まれることになる。そこのスペースに縦パスを入れて前を向くことが出来れば、チャンスは生まれやすくなるだろう。もちろん闇雲に入れるのは良くないが、最終ラインからでもある程度のリスクを負って縦パスを入れることが必要になってくるだろう。また、出してだけでなく受け手である特に土居には積極的に受けて前を向いて攻撃に向かってほしいところである。先制点を挙げることが出来れば、前に出てきた相手を逆手にとってカウンターを仕掛けることも可能だろう。

 今節、まず鹿島には何よりも勝利が求められる一戦である。昨季は最終節で敗れ、目の前で優勝を決められた苦い思い出がある。引退する中田のためにも、今回は勝って送り出したいところ。そして、一つの目標のために一丸となって戦い続けてきたチーム、スタッフ、ホームタウン、サポーターのためにも勝って今季を締めくくりたいところ。全てを出し切り、やりきったその先に最大のSPECTACLEが待っているはずだ。

2014 Jリーグディビジョン1 第34節
鹿島アントラーズ鹿島アントラーズサガン鳥栖サガン鳥栖
12月6日(土) 15:30キックオフ
県立カシマサッカースタジアム

試合情報(鹿島公式サイト)
スタジアムの天気
NHK BS1(ch102)放送予定(15:30~)
NHK水戸 放送予定(15:25~)
スカパー!放送予定(15:20~ J SPORTS 3)
スカパー!オンデマンド配信リンク(15:20~)
NHK BS1放送予定(19:00~ ※録画)

<優勝の条件>
・G大阪
勝ち:優勝確実
分け:浦和が分け以下+鹿島が1点差勝ちか分け以下
負け:浦和が負け+鹿島が分け以下

・浦和
勝ち:G大阪が分け以下(G大阪勝ちだと得失点差の関係で可能性小)
分け:G大阪負け+鹿島分け以下
負け:G大阪負け+鹿島分け以下だが得失点差の関係で可能性小

・鹿島
2点差以上で勝ち:G大阪と浦和が共に分け以下
1点差勝ち:G大阪が負け+浦和が分け以下

[対戦相手情報]
サガン鳥栖
4位 勝点57 33試合18勝3分12敗 40得点33失点
鹿島との対戦データ
夏場は首位に立っていたが、監督の電撃交代というアクシデントもありそこから苦戦を強いられたが、終盤戦に粘り強さを見せて上位に踏みとどまった。監督交代後も運動量をベースにしたスタイルは変わらず、エースの豊田は現在15ゴールでゴールランキング2位と好調を維持している。前節は浦和を相手に先制を許した上に10人となったものの、ATに同点に追いつく粘りを発揮。優勝の可能性はなくなったが、他力でACL出場権獲得の可能性がある4位をキープした。今節は主将の藤田、DFリーダーの菊地、ボランチの岡本と主力3人を欠くが、目の前での胴上げ阻止と4位キープのためにも勝利を目指す。

・直近5試合の結果
大会対戦相手会場スコア得点者
J1第29節川崎F等々力●0-2(川崎F)田中、小林
J1第30節新潟ベアスタ●0-2(新潟)指宿、田中達
J1第31節神戸ベアスタ○2-1(鳥栖)豊田2
(神戸)石津
J1第32節徳島鳴門大塚○1-0(鳥栖)安田
J1第33節浦和ベアスタ△1-1(鳥栖)小林
(浦和)阿部

・鹿島との対戦成績(直近5試合、リーグ戦のみ)
会場スコア得点者
2012年
第10節
カシマ△ 鹿島 0-0 鳥栖
2012年
第20節
ベアスタ● 鳥栖 2-0 鹿島(鳥栖)水沼、豊田
2013年
第1節
ベアスタ△ 鳥栖 1-1 鹿島(鳥栖)豊田
(鹿島)大迫
2013年
第32節
カシマ● 鹿島 1-2 鳥栖(鹿島)青木
(鳥栖)金民友2
2014年
第3節
ベアスタ○ 鳥栖 0-3 鹿島(鹿島)青木、土居、豊川

[前回対戦時のハイライト]
J1第3節 ○ 鳥栖 0-3 鹿島 ([鹿島]青木、土居、豊川)


[対戦相手の前節ハイライト]
J1第33節 △ 鳥栖 1-1 浦和 ([鳥栖]小林 [浦和]阿部)


[予想フォーメーション]
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[予想スタメン]
<鹿島>(3位) ※()は2014年リーグ戦の記録
GK
21曽ヶ端準(33試合38失点)
DF
22西大伍(22試合3得点)
23植田直通(19試合0得点)
15昌子源(33試合2得点)

16山本脩斗(31試合1得点)

MF
40小笠原満男(32試合2得点)
20柴崎岳(33試合6得点)
25遠藤康(29試合10得点)
28土居聖真(33試合8得点)
19豊川雄太(16試合2得点)
FW
18赤﨑秀平(14試合5得点)
SUB
GK1佐藤昭大(0試合0失点)
DF5青木剛(18試合1得点)
MF7ジョルジ・ワグネル(8試合0得点)
MF8ルイス・アルベルト(15試合2得点)
MF10本山雅志(11試合0得点)
MF13中村充孝(13試合2得点)
MF32杉本太郎(4試合0得点)
監督
トニーニョ・セレーゾ

欠場予想選手
MFカイオ(出場停止)
FWダヴィ(左膝前十字靭帯損傷、左膝外側半月板損傷で欠場濃厚)

今節はカイオが出場停止。左SHには豊川が入るだろう。サブには今季限りで引退となる中田のベンチ入りとJ・ワグネル、本山の復帰を予想。
→中田はベンチ外との報道あり

【KEY MAN】
MF小笠原満男
…35歳となった今季もピッチでチームを引っ張り続けた闘将。今節は彼がセカンドボールをいかに拾い、縦パスをいかに入れられるかがカギになってくる。同期の中田が引退するとあって、これまで以上に鬼気迫るプレーが期待できそうだ。

<鳥栖>(4位) ※()は2014年リーグ戦の記録
GK
33林彰洋(33試合33失点)
DF
15丹羽竜平(33試合1得点)
4小林久晃(10試合1得点)
2キム・ミンヒョク(26試合0得点)
13安田理大(32試合1得点)
MF
28高橋義希(29試合0得点)
29谷口博之(27試合2得点)
8水沼宏太(31試合4得点)
22池田圭(32試合5得点)
10金民友(33試合6得点)
FW
11豊田陽平(33試合15得点)
SUB
GK1赤星拓(0試合0失点)
DF5坂井達弥(9試合0得点)
DF35金井貢史(6試合0得点)
MF16崔誠根(6試合0得点)
MF18清武功暉(2試合0得点)
MF25早坂良太(27試合3得点)
FW9播戸竜二(5試合0得点)
監督
吉田恵

欠場予想選手
DF菊地直哉(出場停止)
MF岡本知剛(右大腿ハムストリングス筋損傷で欠場濃厚)
MF藤田直之(出場停止)

今節は菊地と高橋が出場停止、岡本がケガで欠場濃厚だ。CBには前節同点弾を決めた小林が入り、ボランチには運動量が武器の高橋と高い身体能力を持つ谷口が入るだろう。サブには日本代表経験のある坂井やユーティリティープレーヤーの金井、ロングスロー、プレースキックが武器の清武らが新たに入ると予想したが、左SBのベテラン磯崎やアタッカーの菅沼、特別指定のボランチ福田らが入る可能性もある。

[要注意選手]
FW豊田陽平
…鳥栖の絶対的エース。その献身的な姿勢とフィジカル、ヘディングの強さ、そして勝負どころでの決定力は相手にとって脅威以外の何物でもない。ここ2試合はゴールがないが、得点王まであと1ゴールと迫っており、今節は勝利と共に得点王のタイトルも狙う。

[DATA] ※第33節終了時
<J1第34節 対戦カード>
日付時間対戦カード会場
12/6(土)15:30鹿島-鳥栖カシマ
浦和-名古屋埼玉
大宮-C大阪NACK
F東京-横浜FM味スタ
新潟-柏デンカS
清水-甲府アイスタ
神戸-川崎Fノエスタ
広島-仙台Eスタ
徳島-G大阪鳴門大塚

<順位>

順位チーム試合勝点得点失点得失
1ガンバ大阪3362593128
2浦和レッズ3362513021
3鹿島アントラーズ3360643826
4サガン鳥栖335740337
5柏レイソル335746406
6川崎フロンターレ3352544212
7横浜F・マリノス335036288
8FC東京3347463214
9サンフレッチェ広島334742375
10ヴィッセル神戸334548480
11名古屋グランパス33454547-2
12アルビレックス新潟33443034-4
13ヴァンフォーレ甲府33402731-4
14ベガルタ仙台33383548-13
15清水エスパルス33354260-18
16大宮アルディージャ33324260-18
17セレッソ大阪33313646-10
18徳島ヴォルティス33131674-58

<ゴールランキング>

順位選手名チームゴール数
1大久保嘉人川崎F16
2豊田陽平鳥栖15
3マルキーニョス神戸14
4武藤嘉紀F東京13
4ペドロ・ジュニオール神戸13
4ノヴァコヴィッチ清水13
7興梠慎三浦和12
7小林悠川崎F12
9エドゥーF東京11
9永井謙佑名古屋11
9佐藤寿人広島11

<残留争いの行方>
大宮勝ち大宮分け大宮負け
清水勝ち清水残留清水残留清水残留
清水分け清水残留清水残留清水残留
清水負け大宮残留清水残留清水残留

 序盤は負ければJ2降格が決定するC大阪が攻め込んだ。前回対戦時と同じく右OHの杉本健の高さを使って、鹿島の最終ラインを押し込み、そこから前線の連係でゴールを目指すが、その点は鹿島にとっても織り込み済み。我慢の時間と割り切って試合を進み、決定的な場面を作らせない。すると、時間の経過とともに鹿島がC大阪の攻め上がった後のスペースを活用してチャンスを作り出していく。そんな中迎えた33分、鹿島はPA外で土居がボールを持って仕掛け、右サイドに流れていた赤﨑に展開。赤﨑のクロスにフリーで待っていたカイオが落ち着いてトラップし、シュートをゴール右隅に流し込んで鹿島が欲しかった先制点を挙げ、前半を終えた。

 後半、C大阪はカカウを投入し反撃を試みるが、鹿島のペースは変わらずにチャンスを作り出していくと、58分に小笠原のボールを左サイドでカイオがヘッドで折り返し、そこに詰めた赤﨑がヘディングで押し込んで2点目を挙げた。さらに67分には、最終ラインから出された植田のロングボールに赤﨑が抜け出し、GKとの1対1を制してゴールに流し込んで、決定的な3点目をゲット。69分には右サイドを突破した杉本健のクロスを永井に決められて2点差に詰め寄られ、その後も何度かピンチを迎えるがこれを凌ぐと、80分にボールを奪った豊川が持ち運び、出したスルーパスに抜け出した柴崎が流し込んで勝負あり。結局、4-1で試合終了。鹿島は3連勝となり、一方C大阪はJ2降格が決定した。

 この試合では、J2降格というプレッシャーを前にちぐはぐなサッカーに終始したC大阪と優勝争いの中でも相手を逆手に取った鹿島という、順位の差がコントラストとして現れる結果となった。また、他会場ではG大阪が勝利し差は縮まらなかったものの、浦和がATに鳥栖に追いつかれるという痛恨のドローを喫して、鹿島にも最終節での逆転優勝の可能性が残る形となった。さあ、いよいよ最終節。今節のような落ち着いた試合運びが出来れば、奇跡が起こりうる可能性はゼロではない。

[試合記録]
2014 Jリーグ ディビジョン1 第33節
2014年11月29日(土) 14:00キックオフ
ヤンマースタジアム長居 入場者数:23330人

セレッソ大阪セレッソ大阪1-4鹿島アントラーズ鹿島アントラーズ

[得点経過]
33分 <鹿島>カイオ(今季8点目 アシスト:赤﨑秀平)
59分 <鹿島>赤﨑秀平(今季4点目 アシスト:カイオ)
67分 <鹿島>赤﨑秀平(今季5点目 アシスト:植田直通)
69分 <C大阪>永井龍(今季3点目 アシスト:杉本健勇)
80分 <鹿島>柴崎岳(今季6点目 アシスト:豊川雄太)

[ハイライト動画]


[警告・退場]
28分 <鹿島>カイオ(警告 累積4枚目 ※次節出場停止)
72分 <C大阪>酒本憲幸(警告)
74分 <C大阪>扇原貴宏(警告)
90+1分 <C大阪>カカウ(警告)

[フォーメーション]
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[出場記録・寸評]
<鹿島>
GK
21曽ヶ端準 6 1失点も扇原のシュートを後逸しかけた場面を除けば安定していた。
DF
22西大伍 6 後半は守備の軽さが見られたが、攻撃センスを活かしてチャンスを演出。
23植田直通 6.5 ハイボールを跳ね返し、ロングキックで3点目をアシスト。
15昌子源 6 完璧な出来だっただけに失点シーンの対応がもったいない。
16山本脩斗 5.5 序盤は高さで杉本健に後手を踏んだ。オーバーラップもイマイチ。
MF
20柴崎岳 6.5 質の高さを見せつけ、とどめの4点目も奪った。
40小笠原満男 6.5 鋭い出足でことごとくセカンドボールを拾い続けた。
25遠藤康 6 得点には絡めなかったが、左足とフィジカルを活かして攻撃の起点に。
33カイオ 6.5 イエローは余計だが、貴重な先制点と2点目のアシストで勝利に貢献。
→FW19豊川雄太(63分) 6.5 ドリブルにキレがあり、スルーパスで4点目をアシスト。
28土居聖真 6.5 司令塔として攻撃をサポートし続けた。調子が上がってきたか。
→MF8ルイス・アルベルト(72分) 6 失点後のチームを引き締めた。訪れた2度の決定機は決めておきたかった。
FW
18赤﨑秀平 7 上手くチャンスに絡み、2得点1アシストの活躍。 MOM
→FW32杉本太郎(83分) - 右SHと1トップに入ったが、短い時間で上手くボールに絡めず。
監督
トニーニョ・セレーゾ 6.5 狙い通りの勝点3。采配にも余裕が出た。

<C大阪>
GK
21キム・ジンヒョン 5
DF
3染谷悠太 5
14丸橋祐介 5
17酒本憲幸 4.5
23山下達也 5
MF
2扇原貴宏 5
5長谷川アーリアジャスール 5
11楠神順平 5
→FW33カカウ(HT) 5
20杉本健勇 5.5
FW
9永井龍 6
13南野拓実
 4.5

→MF25キム・ソンジュン(64分) 5
監督
大熊裕司 4

<主審>
松尾一
6.5 上手くコミュニケーションを取って、熱くなりかけた試合をコントロールした。

[J1第33節終了時 記録]
<対戦結果>

3-1清水
川崎F1-1広島
G大阪3-1神戸
C大阪1-4鹿島
鳥栖1-1浦和
仙台2-1徳島
横浜FM1-0新潟
甲府0-0F東京
名古屋2-1大宮

<順位>
順位チーム試合勝点得点失点得失
1ガンバ大阪3362593128
2浦和レッズ3362513021
3鹿島アントラーズ3360643826
4サガン鳥栖335740337
5柏レイソル335746406
6川崎フロンターレ3352544212
7横浜F・マリノス335036288
8FC東京3347463214
9サンフレッチェ広島334742375
10ヴィッセル神戸334548480
11名古屋グランパス33454547-2
12アルビレックス新潟33443034-4
13ヴァンフォーレ甲府33402731-4
14ベガルタ仙台33383548-13
15清水エスパルス33354260-18
16大宮アルディージャ33324260-18
17セレッソ大阪33313646-10
18徳島ヴォルティス33131674-58

<ゴールランキング>
順位選手名チームゴール数
1大久保嘉人川崎F16
2豊田陽平鳥栖15
3マルキーニョス神戸14
4武藤嘉紀F東京13
4ペドロ・ジュニオール神戸13
4ノヴァコヴィッチ清水13
7興梠慎三浦和12
7小林悠川崎F12
9エドゥーF東京11
9永井謙佑名古屋11
9佐藤寿人広島11

<今節での決定事項>
・G大阪、浦和の3位以上
・仙台のJ1残留
・C大阪のJ2降格

<優勝の条件>
・G大阪
勝ち:優勝確実
分け:浦和が分け以下+鹿島が1点差勝ちか分け以下
負け:浦和が負け+鹿島が分け以下

・浦和
勝ち:G大阪が分け以下(G大阪勝ちだと得失点差の関係で可能性小)
分け:G大阪負け+鹿島分け以下
負け:G大阪負け+鹿島分け以下だが得失点差の関係で可能性小

・鹿島
2点差以上で勝ち:G大阪と浦和が共に分け以下
1点差勝ち:G大阪が負け+浦和が分け以下

<残留争いの行方>
大宮勝ち大宮分け大宮負け
清水勝ち清水残留清水残留清水残留
清水分け清水残留清水残留清水残留
清水負け大宮残留清水残留清水残留

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