タケゴラ

鹿島アントラーズのことを書いています

2014/08

 8月に入ってから4連勝とチーム状態は間違いなく良い。このまま8月は全勝と行きたいところだが、今節の相手は9試合負けなしで上位陣を追走し続ける難敵FC東京だ。

 今季のFC東京の特徴と言えば何といっても安定したゾーンディフェンスだろう。4バックと3ボランチが形成する2つの壁は非常に強固で、さらに前線の3人はボールホルダーへのチェックを怠らず、隙あらばボール奪取に長けた米本らが猛然と奪いにくるこのFC東京のディフェンスに今季公式戦で2度対戦している鹿島攻撃陣は苦戦を強いられてきた。ただ、攻略法がない訳ではない。ポイントは3つ。1つ目は素早い揺さぶりだ。闇雲に攻撃を仕掛けるだけでは相手の思うつぼだ。横パスを素早く回しながら、相手を揺さぶりそこで発生したズレを突いていきたい。2つ目は3ボランチの脇のスペースだ。3ボランチの真ん中と両サイドの選手の間に出来るスペースを鹿島としては上手く使っていきたい。両SHがこの位置でタメを作ることが効果的なのはもちろん、トップ下の土居がここを使うことが出来れば裏を使うことも出来るし、自分で仕掛けてフィニッシュまで持ち込むことも期待できるだけに、土居のポジショニングには注目したい。3つ目はSBがボールを持った時である。FC東京のチェックは厳しいが、鹿島のSBがボールを持った時には無理して奪いにいかず、中を固めることが多い。鹿島としてはこれまでの対戦ではこのSBからのクロスの精度が低く、チャンスに繋がらなかっただけに、クロスの質を意識すると共に中に飛び込む人数も増やしたいところである。

 一方、FC東京の縦に速い攻撃にも警戒したいところである。FC東京はボールを持ったらとにかく縦に速くボールを繋ぎ、前線の3人の個人技と連係でゴールを陥れるケースが多い。鹿島守備陣としてはこの3人を恐れるあまり安易にラインを下げてしまうのは避けたいし、また不要なボールロストはしたくないところだ。中盤のプレスをかわすことはもちろん、ビルドアップの際には奪われるリスクを十分考えてボールを繋ぎたいところだ。

 この試合は植田、遠藤、小笠原の3選手を欠いて臨むことになる。この3人の不在は痛いところであり、また代わりに入った選手たちにこの3人と同じプレーを望むことは無理があるだろう。だが、こういう時こそチームとしての力が問われており、ここまでリーグ戦を半分以上戦ってきた中でつけた力を見せる時である。これまで出ていた選手がより一層の働きを見せ、代わりに入った選手が自分の武器をピッチで表現し、チームが一つになって戦えれば、勝利は自然と近づいてくるはずである。この一戦を乗り越えた時、チームはまた一つ頂に向けての階段を登ることが出来るだろう。「誰が出ても鹿島は鹿島」、鹿島らしさを見せる時である。

2014 Jリーグディビジョン1 第22節
鹿島アントラーズ鹿島アントラーズFC東京FC東京
8月30日(土) 19:00キックオフ
県立カシマサッカースタジアム

試合情報(鹿島公式サイト)
スタジアムの天気
NHK BS1放送予定(19:00~)
スカパー!放送予定(18:50~ スカチャン2)
スカパー!オンデマンド配信リンク(18:50~)

[対戦相手情報]
FC東京
5位 勝点33 21試合9勝6分6敗29得点19失点
鹿島との対戦データ
中断明けから鹿島と同じくリーグ戦で負けのないチームだ。その要因は浸透したゾーンディフェンスにあるだろう。前線から積極的にプレスをかけ、また最終ラインと3ボランチが築くブロックは強固で、特に高橋と米本が中心となる3ボランチは中断明け以降その存在感を増しつつある。それがリーグ2位の失点の少なさに繋がっている。さらに攻撃力も上げつつあり、特に日本代表にも選ばれた武藤はシュート精度を高め、現在7得点と結果を残している。前節の浦和戦では先制されながらも、そこから17分間で3点を奪いあっさり逆転に成功。しかし、前半終了間際に不用意なPKで追い上げを許すと、後半に追いつかれてしまう。その後、再び武藤のゴールで勝ち越したものの、最終的にはまたもPKで追いつかれ4-4の引き分けに終わっている。この試合で平山が負傷、東や加賀もケガがあり離脱者も多いが、優勝争いのためにも今節が大事な一戦なのはFC東京も同じである。

・直近5試合の結果
大会対戦相手会場スコア得点者
J1第18節清水味スタ○4-0(FC東京)エドゥー、武藤2、太田
J1第19節C大阪ヤンマー△0-0
J1第20節鳥栖ベアスタ○2-0(FC東京)米本、渡邉
天皇杯3回戦松本味スタ○2-0(FC東京)河野、平山
J1第21節浦和味スタ△4-4(FC東京)高橋、武藤2、河野
(浦和)梅崎、興梠、平川、李

・鹿島との対戦成績(直近5試合、リーグ戦のみ)
会場スコア得点者
2012年
第6節
味スタ○ FC東京 1-2 鹿島(FC東京)田邉
(鹿島)興梠、遠藤
2012年
第28節
カシマ○ 鹿島 5-1 FC東京(鹿島)ドゥトラ3、柴崎、遠藤
(FC東京)高橋
2013年
第13節
カシマ○ 鹿島 3-2 FC東京(鹿島)大迫2、O.G.
(FC東京)李、渡邉
2013年
第28節
国立○ FC東京 1-4 鹿島(FC東京)平山
(鹿島)遠藤、ダヴィ、小笠原、大迫
2014年
第15節
味スタ△ FC東京 1-1 鹿島(FC東京)三田
(鹿島)豊川

[前回対戦時のハイライト]
J1第15節 △ FC東京 1-1 鹿島 ([FC東京]三田 [鹿島]豊川)


[対戦相手の前節ハイライト]
J1第21節 △ FC東京 4-4 浦和 ([FC東京]高橋、武藤2、河野 [浦和]梅崎、興梠、平川、李)


[予想フォーメーション]
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[予想スタメン]
<鹿島>(3位) ※は累積警告
GK
21曽ヶ端準
DF
22西大伍
4山村和也
15昌子源■■
16山本脩斗
■■
MF
27梅鉢貴秀
20柴崎岳
33カイオ
28土居聖真
7ジョルジ・ワグネル
FW
11ダヴィ
SUB
GK1佐藤昭大
DF5青木剛
DF6中田浩二
DF24伊東幸敏
MF10本山雅志
FW18赤﨑秀平
FW19豊川雄太

監督
トニーニョ・セレーゾ

欠場予想選手
DF植田直通(出場停止)
MF遠藤康(出場停止)
MF小笠原満男(出場停止)
MF宮内龍汰(右膝半月板損傷で欠場濃厚)

出場停止の3人の穴をいかに埋めるかがカギなのは言うまでもないだろう。植田の代役は青木の可能性もあるが山村が入りそうだ。小笠原の代役はL・アルベルトになりそう。2列目のチョイスは前節までと同じで、サブに本山と豊川が入るだろう。その他にサブには経験豊富な中田が入ると予想。J・ワグネルは今節もメンバー外か。
→前日練習では梅鉢とJ・ワグネルが主力組に入ったためこの2人のスタメンの可能性が出てきた。そうなるとL・アルベルトがメンバーから外れ、中村が豊川とベンチ入りを争うことになりそう。空いたもう一つのサブの枠は伊東が入ると予想。宮内は上記のケガが分かり、1か月程度離脱するとのこと。


【KEY MAN】
DF昌子源
…パワーのある植田、ビルドアップに長けた小笠原がいない中で託される役割は多い。武藤、エドゥーらによるFC東京攻撃陣を高いラインを保ちながら跳ね返し、ビルドアップでボランチをいかに助けられるかが、この試合の勝敗に大きく関わってきそうだ。

<FC東京>(5位) ※()は2014年リーグ戦の記録
GK
20権田修一(21試合19失点)
DF
2徳永悠平(21試合0得点)
29吉本一謙(15試合0得点)
3森重真人(20試合1得点)
6太田宏介(21試合1得点)
MF
22羽生直剛(10試合0得点)
4高橋秀人(20試合2得点)
7米本拓司(20試合2得点)
17河野広貴(18試合4得点)
FW
14武藤嘉紀(20試合7得点)
11エドゥー(19試合5得点)
SUB
GK1塩田仁史(0試合0失点)
DF30カニーニ(0試合0得点)
DF50松田陸(3試合0得点)
MF8三田啓貴(18試合2得点)
MF18石川直宏(3試合0得点)
MF39中島翔哉(J1:0試合0得点 J2:28試合2得点)
FW9渡邉千真(14試合1得点)
監督
マッシモ・フィッカデンティ

欠場予想選手
DF加賀健一(左ハムストリング近位陳旧性挫傷で欠場濃厚)
MF東慶悟(右大腿二頭筋の筋挫傷で欠場濃厚)
FW平山相太(右足内果骨折で欠場濃厚)

スタメンの変更は前節からケガの平山に代わってエドゥーが入りそうだ。ただエドゥーの調子が良いとはいえず、渡邉の先発の可能性もある。日本代表に選ばれた森重と武藤は共にスタメン出場が濃厚。ベンチには富山から復帰したU-21日本代表の中島が入ると予想したが、ケガから復帰した梶山が今季初のベンチ入りとなる可能性もある。

[要注意選手]
MF武藤嘉紀
…日本代表にも選出されたルーキー。スピードとテクニックを活かしたドリブルが最大の武器だが、この頃は2トップの一角でプレーすることによりシュートの意識が高まり、徐々に精度も上がってきている。鹿島としてはこの男を封じることが勝利への近道だろう。

[DATA]
<J1第22節 対戦カード>
日付時間対戦カード会場
8/30(土)18:00浦和-大宮埼玉
18:00G大阪-新潟万博
18:30徳島-広島鳴門大塚
19:00鹿島-FC東京カシマ
19:00柏-甲府
19:00鳥栖-清水ベアスタ
19:00仙台-横浜FMユアスタ
19:00名古屋-川崎F瑞穂陸
19:00C大阪-神戸ヤンマー

<順位>
順位チーム試合勝点得点失点得失
1浦和レッズ2141311813
2サガン鳥栖2140291712
3鹿島アントラーズ2139412417
4川崎フロンターレ2139382711
5FC東京2133291910
6ヴィッセル神戸213233294
7柏レイソル213227261
8ガンバ大阪213132248
9サンフレッチェ広島213128271
10横浜F・マリノス213026197
11アルビレックス新潟21281819-1
12ベガルタ仙台21252032-12
13清水エスパルス21242534-9
14名古屋グランパス21232734-7
15ヴァンフォーレ甲府21211723-6
16セレッソ大阪21202325-2
17大宮アルディージャ21162741-14
18徳島ヴォルティス21121144-33

<ゴールランキング>
順位選手名チームゴール数
1大久保嘉人川崎F12
2ペドロ・ジュニオール神戸11
3ダヴィ鹿島9
3小林悠川崎F9
3豊田陽平鳥栖9
6ノヴァコヴィッチ清水8
6マルキーニョス神戸8
8興梠慎三浦和7
8武藤嘉紀FC東京7
8フォルランC大阪7
8佐藤寿人広島7
8高崎寛之徳島7

[審判団]
主審:井上知大
副審:大塚晴弘(A1)、竹田和雄(A2)
第4の審判:野田祐樹

[試合の流れ]

前半開始。
3分。(清水)突破を図ったダヴィを吉田が体で止めてファウル。
4分。(鹿島)FKの時の競り合いで鹿島にファウル。ノヴァコヴィッチがカイオに詰め寄り、小競り合いに。井上主審は両者を離し、カイオに注意。
5分。(鹿島)小笠原が本田の足を引っ掛けて、ファウル。
7分。(清水)河井が山本がヘディングした後にアフターで競りに行ってファウル。
10分。(鹿島)山本が大前を掴んで倒しファウル。井上主審は山本に注意。
12分。(鹿島)競り合いの際に植田が後ろからノヴァコヴィッチを倒してファウル。
15分。(鹿島)山本が大前を引っ掛けてファウル。
18分。(清水)本田が土居を倒してファウル。井上主審は本田に注意。
19分。(鹿島)植田が後ろからノヴァコヴィッチを倒してファウル。
20分。(鹿島)競り合いの際、カイオがボールにチャレンジせずイ・キジェの進路を塞いだとしてファウル。
21分。(鹿島)ボールと関係のないところで、中に切り込もうとした吉田を小笠原が肘を使って妨害してファウル。小笠原には反スポーツ的行為(C1)でイエロー。鹿島の選手は小笠原を中心に抗議。
…思いっきり肘打ちで妨害してるのでイエローは妥当。
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26分。(清水)潰しにいったヤコヴィッチがダヴィに対してファウル。
28分。(清水オフ)本田から河井へのパスはオフサイド。
29分。(鹿島)小笠原がノヴァコヴィッチを掴んで倒しファウル。
30分。(鹿島)中村が吉田に対して足の裏を見せたということで、危険なプレーでファウル。清水に間接フリーキック。鹿島の選手たちは抗議。
…確かにボールに行っているが、足の裏を隠さずに見せておりファウルは妥当。イエローでもおかしくないプレー。
スクリーンショット (86)

31分。清水が大前のゴールで先制。[清水 0-1 鹿島]
34分。(鹿島)山本がハンドを取られる。
34分。(鹿島)突破しようとした石毛を土居が倒してファウル。土居にはC1でイエロー。
…土居の左足が石毛の足にかかっているので、ファウルは妥当。
スクリーンショット (88)
…咄嗟の反応なので悪質さはないが、これがなければ位置的に清水のチャンスに繋がっていた可能性もあるだけにカードも不可解とは言えない。
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35分。(清水オフ)大前のFKはノヴァコヴィッチがオフサイド。
…微妙だが確かにノヴァコヴィッチが出ている。副審お見事。
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37分。(鹿島)昌子が競り合いの際にノヴァコヴィッチを掴んでファウル。
…ノヴァコヴィッチの腕をしっかり掴んでしまっているのでこれも妥当。
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38分。(鹿島)西がノヴァコヴィッチを倒してファウル。西は井上主審に抗議。
39分。(清水)ノヴァコヴィッチが植田に対してファウル。
41分。(清水)イ・キジェがカイオを掴んでファウル。
43分。(鹿島)昌子がノヴァコヴィッチを掴んでファウル。昌子にC1でイエロー。昌子と小笠原は井上主審に抗議。
…ノヴァコヴィッチも手を使っているが相手のプレーを妨害しているのは昌子の方なのでこれも妥当か。
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44分。(清水オフ)イ・キジェのFKから石毛がヘディングで合わせるもオフサイド。
ATは2分。
45+1分。西とノヴァコヴィッチの競り合いの際にノヴァコヴィッチが腕を使ったとして、鹿島の選手たちが井上主審に抗議。
45+2分。(鹿島)植田がノヴァコヴィッチとの競り合いの際に腕を使って倒したとしてファウル。植田に繰り返しの違反(C4)でイエロー。鹿島の選手たちは井上主審に抗議。鹿島ベンチも総出で抗議。
…腕は使っているが、ノヴァコヴィッチが競りにいっていないので微妙。ただ植田は今日3回目のファウルなので、繰り返しの違反という意味では妥当。
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前半終了。[清水 1-0 鹿島] 鹿島の選手たちは井上主審に抗議。前半のファウル数は清水が6(その他にオフサイド3)、鹿島が16(オフサイド0)。

後半開始。
46分。(清水)イ・キジェがカイオの突破を倒して止めてファウル。イ・キジェにC1でイエロー。
…思いっ切り腕を使って止めているのでイエローは妥当。
スクリーンショット (94)

48分。(鹿島)西が石毛の足を引っ掛けてファウル。
50分。(鹿島)山本がノヴァコヴィッチを腕で掴んでファウル。
53分。(鹿島)植田がノヴァコヴィッチを後ろから押してファウル。
54分。中村が吉田を倒してファウルも、井上主審はプレーオンのジャッジ。
55分。六平が土居を掴んでファウルも、井上主審はプレーオンのジャッジ。
55分。鹿島、中村→遠藤。
57分。(清水)大前がファウル。山本の足を引っ掛けたか?
57分。(清水)ヤコヴィッチがダヴィを倒してファウル。
59分。(清水)吉田が突破を図ったカイオを倒してファウル。PA内のため、鹿島にPK。吉田にはC1でイエロー。清水の選手たちは井上主審に抗議。
…完全にホールディング。イエローもPKも妥当。
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61分。鹿島が小笠原のPKで追いつく。[清水 1-1 鹿島]
63分。(鹿島)植田がノヴァコヴィッチをホールディングで倒してファウル。植田にはC1でイエロー、2枚目のイエローで退場(CS)。
…まず植田はノヴァコヴィッチを掴んでいるのでファウルは妥当。
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…ファウル自体もイエロー相当だが、やはり抜けていたら決定的な場面に繋がっていた可能性が高いのでイエローも妥当。
スクリーンショット (97)

65分。鹿島、カイオ→山村。
66分。(清水)イ・キジェが遠藤を倒してファウル。イ・キジェに得点機会阻止(S5)で一発退場。
…まずバックチャージで遠藤を倒しているのでファウルは妥当。
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…次に位置的に見ると、抜けていればGKと1対1で得点の可能性は高かったので、レッドも妥当。
スクリーンショット (98)

68分。鹿島が小笠原のFKで勝ち越し。[清水 1-2 鹿島]
72分。鹿島がダヴィのゴールで追加点。[清水1-3 鹿島]
73分。清水、本田→村田。
78分。(鹿島オフ)山村からダヴィへのパスはオフサイド。
78分。清水、石毛→高木俊。
80分。スローインのリスタートを急ぐように井上主審が山本に注意。
81分。昌子とノヴァコヴィッチが口論に。井上主審が仲裁に入り、両者に注意。
82分。インプレー中にゲームを止めたため、ドロップボールで再開。
82分。(清水オフ)高木俊から村田へのパスはオフサイド。
86分。鹿島、小笠原→L・アルベルト。
87分。清水、大前→瀬沼。
ATは5分。
90+1分。(清水)瀬沼のハンドでファウル。
90+1分。(清水)吉田が山本を倒してファウル。
90+3分。(鹿島オフ)西から遠藤へのパスはオフサイド。笛が鳴った後にボールを蹴った遠藤に遅延行為(C5)でイエロー。
90+5分。(清水)鹿島のPA内でノヴァコヴィッチが倒れるもシミュレーションの判定。ノヴァコヴィッチにC1でイエロー。間接FKで再開。
試合終了。[清水 1-3 鹿島] 後半のファウル数は清水が8(その他にオフサイド1)、鹿島が4(オフサイド2)。合計ファウル数は清水が14(オフサイド4)、鹿島が20(オフサイド2)。

[カード]
[警告]
21分 <鹿島>小笠原満男(C1)
34分 <鹿島>土居聖真(C1)
44分 <鹿島>昌子源(C1)
45+2分 <鹿島>植田直通(C4)
46分 <清水>イ・キジェ(C1)
59分 <清水>吉田豊(C1)
63分 <鹿島>植田直通(C1)
90+3分 <鹿島>遠藤康(C5)
90+5分 <清水>ノヴァコヴィッチ(C1)
[退場]
63分 <鹿島>植田直通(CS)
66分 <清水>イ・キジェ(S5)

[まとめ]
判定の一つ一つ自体は植田の1枚目のイエローが出たシーンを除いて妥当なもの。ホールディングなど手を使った反則を厳しく取るという判定は一貫していた。それに対応できずにファウルを繰り返した両チーム(特に前半の鹿島)の選手にゲームが荒れた責任の一端があるように思える。とはいえ、選手たちときちんとコミュニケーションを取らずにゲームを落ち着かせられなかった井上主審にも責任はある。
後半になって鹿島のファウルが減ったのは落ち着きを取り戻し、判定基準に慣れてきたからだろう。特にノヴァコヴィッチの対応に苦慮していた昌子のファウル数が前半2から後半0に減ったのは良い例だろう。逆に清水の選手たちは天皇杯から中2日という条件で疲労もあったのか後半にファウルが増えている。ノヴァコヴィッチも前半は判定を上手く使って鹿島の両CBにイエローを出させたが、後半は逆に対応できずにイラつくシーンが増え、最後はシミュレーションでイエローをもらってしまった。
結果的にイエロー9枚、レッド2枚が出る荒れた試合になってしまったのは残念である。選手、審判の方々にはより良い試合にしてもらうようにお願いしたい。

この試合のマッチレポートはこちら

 試合の入りは鹿島がペースを握った。シンプルにSHを使い、そこで清水のSBと1対1の状況を作り出し、チャンスに繋げていった。ただ、清水の守備陣も粘りを見せて得点までには至らなかった。一方の清水の攻撃ではシンプルにノヴァコヴィッチに入れてくるロングボールに鹿島のCBは苦戦。ファウルが増え、鹿島の選手たちは徐々にいらだちを募らせ、ペースは清水に移っていった。そんな31分にファウルを取られ集中を欠いた鹿島DF陣を清水は見逃さず、素早いリスタートで左サイドに展開。イ・キジェのクロスからノヴァコヴィッチ、石毛と繋ぎ、最後は大前が豪快に蹴り込んで清水に先制点を許してしまう。その後も判定に納得のいかない鹿島の選手たちは主審に抗議する時間が増え、プレーに集中できない時間が続くが、追加点は許さずに1点ビハインドで終えることになる。

 後半、トニーニョ・セレーゾ監督によって落ち着きを取り戻した鹿島イレブンは、大前と河井にそれぞれ決定機を作られながらも事なきを得て、再び清水ゴールに迫っていく。すると59分にカイオの突破からPKを得ると、これを小笠原が落ち着いて決めて同点に追いつく。しかし、63分に植田が2枚目のイエローで退場。10人での戦いを強いられるが、しぶとく戦い続けると、66分にカウンターからボールをゴール前で受けた遠藤がイ・キジェに倒され絶好の位置でFKをゲット。このプレーでイ・キジェは一発退場となり10人対10人の戦いになった。そしてこのFKを小笠原が直接決めて逆転に成功。さらに72分にはカウンターから遠藤のクロスをダヴィがヘッドでゴールに叩き込んで決定的な3点目を奪い、終盤の清水の攻撃もかわして逃げ切りに成功。3-1で勝利を収めた。

 前半の言ってしまえばサッカーになっていなかった戦いから崩れずに逆転勝ちに持っていったのは見事である。しかも、日本平での勝利は2007年以来7年ぶり、リーグ戦4連勝は2011年以来3年ぶりである。確実にチームにしたたかさや勝負強さが身についてきた何よりの成果と言えるだろう。この勝負強さの理由の一つには夏場にも関わらず、終盤になっても走り負けないため、ビハインドの状況になっても慌てなくなったのが大きいだろう。この一戦によって、鹿島は3位に浮上、首位浦和との勝点差は1試合でひっくり返せる2まで縮まった。夏場の反撃によって、首位の背中はすぐそこにまで迫ってきている。

[試合記録]
2014 Jリーグ ディビジョン1 第21節
2014年8月23日(土) 18:00キックオフ
IAIスタジアム日本平 入場者数:13447人

清水エスパルス清水エスパルス1-3鹿島アントラーズ鹿島アントラーズ

[得点経過]
・31分 <清水>大前元紀(今季5点目 アシスト:石毛秀樹)
・61分 <鹿島>小笠原満男(今季1点目 ※PK)
・68分 <鹿島>小笠原満男(今季2点目)
・72分 <鹿島>ダヴィ(今季9点目 アシスト:遠藤康)

[ハイライト動画]


[警告・退場]
21分 <鹿島>小笠原満男(警告 累積4枚目 ※次節出場停止)
34分 <鹿島>土居聖真(警告 累積1枚目)
44分 <鹿島>昌子源(警告 累積3枚目)
45+2分 <鹿島>植田直通(警告)
46分 <清水>イ・キジェ(警告)
59分 <清水>吉田豊(警告)
63分 <鹿島>植田直通(警告)
63分 <鹿島>植田直通(退場 ※次節出場停止)
66分 <清水>イ・キジェ(退場)
90+3分 <鹿島>遠藤康(警告 累積4枚目 ※次節出場停止)
90+5分 <清水>ノヴァコヴィッチ(警告)

[フォーメーション]
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[出場記録・寸評]
<鹿島>
GK
21曽ヶ端準 6 失点シーンは致し方なし。キックも含め安定していた。
DF
22西大伍 6.5 守備では高さとクリアで、攻撃では積極的なオーバーラップで貢献した。
23植田直通 5 最後までノヴァコヴィッチと判定基準に対応できずに退場。
15昌子源 5.5 前半はノヴァコヴィッチに苦慮したが、後半は巻き返した。 
16山本脩斗 6 目立った活躍はなかったが、攻守両面での運動量は落ちなかった。
MF
20柴崎岳 6 終始落ち着いてプレー。決定的な場面での仕事はなかったが、キレは随一。
40小笠原満男 7 圧倒的な存在感を放つ。PKとFKで勝利を手繰り寄せる16年連続ゴール。 MOM 
→MF8ルイス・アルベルト(86分) - プレー時間短く、評価なし。
33カイオ 6 PKゲットはとことんドリブルで仕掛け続けた成果。ボールロストも少なかった。
→DF4山村和也(65分) 6 植田退場直後にピッチへ。すぐにゲームに入り安定したプレーを披露。
13中村充孝 5 動き自体は悪くなかったが、吉田とのマッチアップで敗れることが多かった。
→MF25遠藤康(55分) 6.5 イエローは余計だが、2得点に絡む大活躍。
28土居聖真 6 数字には表れないが貢献度はチームでもトップクラス。
FW
11ダヴィ 6.5 相手CBをけん制し続け、ヘディングできっちり3点目をゲット。
監督
トニーニョ・セレーゾ 7 HTにきっちり修正し、交代策でチームを逆転勝ちに導いた。

<清水>
GK

1櫛引政敏 5
DF
28吉田豊 5
3平岡康裕 5
19ヤコヴィッチ 5
2イ・キジェ 4.5
MF
7本田拓也 5
→MF22村田和哉(73分) 5
16六平光成 5
10大前元紀 5.5
→FW13瀬沼優司(87分) -
17河井陽介 5.5
FW
8石毛秀樹 6
→FW11高木俊幸(78分) 5
18ノヴァコヴィッチ 5.5
監督
大榎克己 5

<主審>
井上知大 
5 判定自体は間違っていないが、選手を落ち着かせられず試合を荒れさせてしまった。

この試合のレフェリングチェックはこちら

[J1第21節終了時 記録]
<対戦結果>

清水1-3鹿島
FC東京4-4浦和
甲府3-3G大阪
大宮1-3鳥栖
新潟1-2徳島
名古屋1-1
神戸2-1仙台
横浜FM2-0川崎F
広島0-0C大阪

<順位>
順位チーム試合勝点得点失点得失
1浦和レッズ2141311813
2サガン鳥栖2140291712
3鹿島アントラーズ2139412417
4川崎フロンターレ2139382711
5FC東京2133291910
6ヴィッセル神戸213233294
7柏レイソル213227261
8ガンバ大阪213132248
9サンフレッチェ広島213128271
10横浜F・マリノス213026197
11アルビレックス新潟21281819-1
12ベガルタ仙台21252032-12
13清水エスパルス21242534-9
14名古屋グランパス21232734-7
15ヴァンフォーレ甲府21211723-6
16セレッソ大阪21202325-2
17大宮アルディージャ21162741-14
18徳島ヴォルティス21121144-33

<ゴールランキング>
順位選手名チームゴール数
1大久保嘉人川崎F12
2ペドロ・ジュニオール神戸11
3ダヴィ鹿島9
3小林悠川崎F9
3豊田陽平鳥栖9
6ノヴァコヴィッチ清水8
6マルキーニョス神戸8
8興梠慎三浦和7
8武藤嘉紀FC東京7
8フォルランC大阪7
8佐藤寿人広島7
8高崎寛之徳島7

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