ACL広州恒大戦も一度は逆転しながらひっくり返されてしまい、ついに公式戦5連敗となってしまった。中3日という日程に加え、厳しい気候の広州からの長距離移動という肉体的疲労、勝てなかったという精神的疲労も抱え、チームの状態は決して良いとは言えない状態で迎えるのが今節の名古屋戦である。

 とはいえ、試合内容に目を向けるとそこまで悪いものではない。シュートをゴールに繋げる力は確実に上がってきており、ペースを握れる時間も確実に増えてきた。問題はそのペースを握れない時間帯をどう耐え凌ぐか、そして自分たちのペースの時に簡単に相手にペースを明け渡さないようにするかである。現状、今のチーム状態で相手のペースになった時に踏ん張り続けるのは難しいだろう。名古屋と対戦した甲府や松本のようにブロックを作って、相手にボールを持たせ、拙攻を狙うというのも戦い方の一つではあるが、今の鹿島にそれに耐えうるだけの守備力や精神力は持ち合わせていないのが現実だ。となれば、やはり自分たちの時間をなるべく長くして、攻撃機会を増やすのが得策だろう。名古屋は前線は積極的にプレスに来るが、最終ラインがそれに呼応せず、結果として間延びした状態になりやすい。ボランチやDFの個々の守備能力がいくら高くても、カバーするにはあまりに広すぎるスペースが生まれてしまうのだ。鹿島の攻撃陣にとってそのスペースは大好物。最終ラインから確実につなぎ、ボランチや2列目が前を向いてボールを持てるようになれば、チャンスに繋がる可能性は必然的に高まってくるだろう。

 相手にペースを渡さないためにも、ファウルは減らしたいところだ。湘南戦、広州恒大戦共にセットプレーから失点して流れを悪くしていること、名古屋が長身選手を揃えセットプレーに自信を持っていることを考えれば、単に激しく当たりに行くのではなく、状況や場面を考えた守備を選択することが求められるだろう。連敗中の状況の中でも、チームはやることを変えずに一つになって進もうとしている。その成果を今節こそ、勝利という目に見える結果にして、自信に繋げたいところだ。

2015明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第3節
名古屋グランパス名古屋グランパス鹿島アントラーズ鹿島アントラーズ
3月22日(日) 17:00キックオフ
名古屋市瑞穂陸上競技場

試合情報(名古屋公式サイト)
スタジアムの天気
スカパー!放送予定(16:50~ スカチャン0)
スカパー!オンデマンド配信リンク(16:50~)

[対戦相手情報]
名古屋グランパス
2015シーズン:12位 勝点1 2試合0勝1分1敗 3得点4失点
鹿島との対戦データ
昨季は前半戦の躓きを後半戦にカウンター中心に移行したこともあって取り返して、10位フィニッシュ。今季は上位進出を目指し、ケガの多かったケネディや玉田を放出し、2年連続で2桁ゴールを奪っているノヴァコヴィッチを獲得。そうして迎えた開幕だったが、開幕戦は松本にセットプレーから2失点するなど後手を踏み続け、3-3のドロー。第2節の甲府戦では相手の守備を崩せずにFK一発に沈み、完封負けと、リーグ戦はここまで勝ちがない。ただ、水曜日のナビスコ杯では先制されながらも、攻撃陣が結果を残し逆転勝ち。日本代表に永井、川又(川又はバックアップメンバー)が選出されるなど、調子を上げて今節を迎える。

・メンバーリスト
ポジ番号選手名試合-得点
GK1楢﨑正剛2-4
21西村弘司0-0
30野村政孝0-0
50高木義成0-0
DF2竹内彬2-0
3牟田雄祐2-0
4田中マルクス闘莉王2-1
5大武峻0-0
6本多勇喜2-0
24ハーフナー・ニッキ0-0
29佐藤和樹0-0
MF7田口泰士2-0
8ダニルソン2-0
10小川佳純1-0
13磯村亮太0-0
14田鍋陵太0-0
20矢田旭2-0
23青木亮太0-0
25望月嶺臣0-0
26森勇人0-0
33レアンドロ・ドミンゲス0-0
35田中輝希0-0
FW9野田隆之介0-0
11永井謙佑2-0
17松田力0-0
18ノヴァコヴィッチ2-1
19矢野貴章0-0
22小屋松知哉2-1
27杉森考起0-0
32川又堅碁2-0
34グスタボ0-0
監督西野朗2年目
※試合-得点は2015シーズンのリーグ戦の成績。GKの得点の欄は失点。

・直近5試合の結果
大会対戦相手会場スコア得点者
J1第34節
(2014年)
浦和埼玉○2-1(浦和)槙野
(名古屋)牟田、永井
NYM岐阜長良川○3-2(岐阜)髙地、難波
(名古屋)牟田、ノヴァコヴィッチ、松田
明治安田生命J1 1st第1節松本豊田ス△3-3(名古屋)小屋松、闘莉王、ノヴァコヴィッチ
(松本)オビナ、池元、喜山
明治安田生命J1 1st第2節甲府中銀スタ●0-1(甲府)阿部翔
ナビスコ杯 予選第1節川崎F等々力○3-1(川崎F)大久保
(名古屋)永井、川又2

・鹿島との対戦成績(直近5試合、リーグ戦のみ)
会場スコア得点者
2012年
第33節
豊田ス○ 名古屋 1-2 鹿島(名古屋)増川
(鹿島)ドゥトラ2
2013年
第12節
カシマ○ 鹿島 3-1 名古屋(鹿島)遠藤、中村、大迫
(名古屋)小川
2013年
第18節
豊田ス● 名古屋 3-1 鹿島(名古屋)ケネディ2、玉田
(鹿島)大迫
2014年
第12節
カシマ● 鹿島 1-2 名古屋(鹿島)ダヴィ
(名古屋)小川、玉田
2014年
第19節
豊田ス○ 名古屋 2-3 鹿島(名古屋)永井、ケネディ
(鹿島)山本、ダヴィ、遠藤

[前回対戦時のハイライト]
2014年J1第19節 ○ 名古屋 2-3 鹿島 ([名古屋]永井、ケネディ [鹿島]山本、ダヴィ、遠藤)


[対戦相手の前節ハイライト]
ナビスコ杯 予選第1節 ○ 川崎F 1-3 名古屋 ([川崎F]大久保 [名古屋]永井、川又2)


[予想フォーメーション]
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[予想スタメン]
<鹿島>(17位) ※()は2015年リーグ戦の記録、は累積警告
GK
21曽ヶ端準(1試合2失点)
DF
22西大伍(2試合0得点0アシスト)
14ファン・ソッコ(2試合0得点0アシスト)
3昌子源(0試合0得点0アシスト)
16山本脩斗(2試合0得点0アシスト)

MF
27梅鉢貴秀(1試合0得点0アシスト)
20柴崎岳(2試合0得点1アシスト)
25遠藤康(2試合1得点0アシスト)
8土居聖真(2試合0得点0アシスト)
33金崎夢生(2試合1得点0アシスト)
FW
15高崎寛之(2試合0得点1アシスト)
SUB
GK1佐藤昭大(1試合3失点)
DF4山村和也(1試合0得点0アシスト)
DF5青木剛(1試合0得点0アシスト)
DF24伊東幸敏(0試合0得点0アシスト)
MF7カイオ(2試合0得点0アシスト)
MF10本山雅志(1試合0得点0アシスト)
MF13中村充孝(1試合0得点0アシスト)
監督
トニーニョ・セレーゾ

欠場予想選手
DF植田直通(U-22日本代表で欠場)
MF小笠原満男(右膝内側側副靭帯損傷で欠場濃厚)
FWダヴィ(左膝前十字靭帯損傷、左膝外側半月板損傷で欠場濃厚)
FW赤﨑秀平(右太ももを痛め出場微妙)
FW豊川雄太(U-22日本代表で欠場)

GKは曽ヶ端の先発が濃厚だが、ACLから中3日ということもあり佐藤の可能性も。右SBとCBの昌子のパートナーは、西とファン・ソッコの状態が落ちてきているため、伊東と山村がそれぞれ先発も考えられる。ボランチはACLで負傷した小笠原に代わり、梅鉢が先発の可能性が高い。

【KEY MAN】
MF金崎夢生
…2月に電撃加入して1か月経つが、持ち前のテクニックと欧州仕込みのメンタリティーとフィジカルを活かして、すでに2列目に欠かせない存在になっている。湘南戦では移籍初ゴールも決め、調子は悪くない。今節の相手は古巣名古屋。自身の活躍でチームを勝たせ、古巣にキツい恩返しを食らわせたい。

<名古屋>(12位) ※()は2015年リーグ戦の記録
GK
1楢﨑正剛(2試合4失点)
DF
19矢野貴章(0試合0得点)
3牟田雄祐(2試合0得点)
4田中マルクス闘莉王(2試合1得点)
6本多勇喜(2試合0得点)
MF
8ダニルソン(2試合0得点)
7田口泰士(2試合0得点)
20矢田旭(2試合0得点)
11永井謙佑(2試合0得点)
FW
18ノヴァコヴィッチ(2試合1得点)
32川又堅碁(2試合0得点)
SUB
GK50高木義成(0試合0失点)
DF2竹内彬(2試合0得点)
DF5大武峻(0試合0得点)
MF10小川佳純(1試合0得点)
MF14田鍋陵太(0試合0得点)
FW17松田力(0試合0得点)
FW22小屋松知哉(2試合1得点)
監督
西野朗

欠場予想選手
MF青木亮太(左膝前十字靭帯断裂、左膝外側半月板断裂、左膝蓋骨脱臼で欠場濃厚)
MF望月嶺臣(J-22で出場微妙)
MFレアンドロ・ドミンゲス(ブラジルに一時帰国中で欠場濃厚)
FW野田隆之介(左膝軟骨損傷および脛骨内反変形で欠場濃厚)
FW杉森考起(J-22で出場微妙)

GKはナビスコ杯に出場しなかった守護神の楢﨑。4バックは、右SBに矢野が竹内に代わって入り、CBは牟田と主将の闘莉王、左SBはレフティーの本多。ボランチはゲームメーカーの田口とケガ明けのダニルソンのコンビを予想。ダニルソンが外れる場合は田口がアンカーの4-1-4-1だろう。2列目は右に矢田、左に永井。そして、ノヴァコヴィッチと川又が縦関係の2トップを組むと予想した。SUBにはベテランGKの高木、大卒ルーキーの大武、中盤の小川、快足を誇る田鍋、大卒2年目の松田、高卒2年目の小屋松などが入ると予想。この他にも、左SBの佐藤、ブラジル人FWのグスタボなどが控える。

[要注意選手]
FW永井謙佑
…驚異の快速でゴールを陥れるFW。50m5秒6というスピードを活かし、攻守にピッチを駆け回るのは、単純だが最大の武器である。最近は左サイドでのプレーも板につき、クロス精度も向上。日本代表にも選出され、勢いに乗っている。

<明治安田生命J1 1st第3節 対戦カード>
日付時間対戦カード会場
3/22(日)14:00甲府-G大阪中銀スタ
新潟-柏デンカS
清水-松本アイスタ
広島-浦和Eスタ
15:00横浜FM-鳥栖ニッパツ
16:00湘南-仙台BMWス
17:00名古屋-鹿島瑞穂陸
神戸-F東京ノエスタ
19:00山形-川崎FNDスタ

<順位>
順位チーム試合勝点得点失点得失
1浦和レッズ26413
サンフレッチェ広島26413
3サガン鳥栖26312
4川崎フロンターレ24532
5ベガルタ仙台24312
清水エスパルス24312
7柏レイソル24211
8湘南ベルマーレ2334-1
9ヴァンフォーレ甲府2312-1
10FC東京22220
11松本山雅FC2145-1
12名古屋グランパス2134-1
13ガンバ大阪2123-1
ヴィッセル神戸2123-1
15アルビレックス新潟2112-1
16横浜F・マリノス2113-2
17鹿島アントラーズ2025-3
18モンテディオ山形2003-3

<ゴールランキング>
順位選手名チームゴール数
1ウイルソン仙台2
武藤嘉紀F東京
大久保嘉人川崎F
遠藤航湘南
オビナ松本
大前元紀清水
7渡部博文仙台1
遠藤康鹿島
金崎夢生鹿島
宇賀神友弥浦和
那須大亮浦和
阿部勇樹浦和
興梠慎三浦和
鈴木大輔
工藤壮人
レナト川崎F
小林悠川崎F
エウシーニョ川崎F
小林祐三横浜FM
アリソン湘南
喜山康平松本
池元友樹松本
ラファエル・シルバ新潟
本田拓也清水
田中マルクス闘莉王名古屋
ノヴァコヴィッチ名古屋
小屋松知哉名古屋
パトリックG大阪
宇佐美貴史G大阪
高橋祥平神戸
渡邉千真神戸
森﨑浩司広島
ドウグラス広島
佐藤寿人広島
柏好文広島
白星東鳥栖
豊田陽平鳥栖
池田圭鳥栖