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鹿島アントラーズのことを書いています



 大宮の新監督に石井正忠氏(以下石井さん)が就任することが発表された。石井さんといえば、今年5月まで鹿島の監督を務め、就任1年目の2015シーズンにはナビスコカップ優勝、さらに就任2年目の2016シーズンにはJ1リーグ優勝と天皇杯優勝の2冠を果たし、クラブワールドカップではアジア勢初の決勝進出に導くなど、輝かしい実績を残してきた指導者である。その石井さんが託されたのは「崖っぷちの大宮をJ2降格の危機から救うこと」。では、石井正忠とはどんな指導者なのか。約2年弱、石井さん率いるチームを見てきた筆者の見解から見ていきたい。

・鹿島での石井正忠

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石井正忠監督時の基本布陣(2015~2017)

 石井さんが鹿島の監督に就任したのは2015年の7月だった。トニーニョ・セレーゾ監督になって3季目、チームの集大成として挑んだシーズンだったが開幕から調子が上がらず、ACLはグループステージで早々に敗退、リーグ戦も2ndステージを1勝1分1敗で終えた段階でチームは監督交代を決断し、後任となったのがコーチを務めていた石井さんだった。

 監督になった石井さんがまず最初に行ったのが、守備の再整備だった。前から行くのか、後ろでしっかり守るのかがあいまいになっていたチームに、「まずは後ろでしっかりとゾーンで守る」ことを徹底。ボールを奪われた際は素早く自分のポジションに戻ることが意識づけられた。
 次に行われたのが、攻撃の狙いどころを定めることだった。セレーゾ体制下ではロングカウンターが主な攻撃の形であり、ゴールへ迫る手段はその時その時のアイデアに任されていた。この場合、どこから攻めるのかわからない流動的な攻撃が出来るためハマった時は猛威を振るったのだが、反面上手くいった場合でも、その場その場で即興で生まれたアイデアのため再現性がなく、同じシーンを上手く作り出せず、必然的に波が大きくなってしまっていた。石井さんはそこに、まずは前線の選手をペナルティエリアの角の部分に走り込ませて、そこにボールを供給して、そこから2列目やSBとの連係で崩していこうという攻撃の形を持ち込んだ。そのため、布陣も1トップから2トップに変更。ここで重用されたのがスプリント力に優れる赤﨑であり、金崎であった。
 さらに、ここから導入されたのが前線からのプレッシングだった。前線のスプリント力を活かし、相手のビルドアップを制限、相手を追い込んでボールを奪い、ショートカウンターに繋げるこのスタイルは、読みとボール奪取力に優れたボランチ、さらに耐久力に不安のあったCBを抱えていた鹿島にとって、ピタリとハマるスタイルだった。

 この3つの工程を経た鹿島のベストパフォーマンスが発揮されたのが、2015年のナビスコカップ優勝から2016年の1stステージ優勝までの期間であろう。

 だが、石井さんの手腕が光ったのは正直ここまでだった。夏場になって運動量が落ちると、プレスは機能しなくなり、また攻撃の形もペナルティエリアの角崩し以外に具体的な策を授けることもできなかった。特に2つ目の攻撃の形がないというのは、カイオの中東への移籍で1人で状況を打開できるアタッカーを失い、またチャンスの数を増やすためのビルドアップもボランチの展開力に依存していた鹿島にとっては深刻な課題だった。この状況に対して痛かったのは、石井さんが対処療法しか打てずに、根本的な課題の解決に取り組まなかったことだった。ビルドアップの課題や、現在の大岩監督になってから行っている中央からの崩しが導入できていれば、状況の改善も見込めたはずなのに、そうした課題に対して石井さんは最後まで回生の一手を打つことが出来なかった。

 ただ、それでも石井さんがここまでの実績を残せたのには、2016シーズン終盤に状況によってはプレスを捨てて、引いて守ることも辞さないと戦い方を統一させたからだった。もちろん、2ndステージに相次いだケガ人が戻ってきたのも大きかったが、自分の理想の形を捨ててでも、勝利に徹するその姿勢でもう一度チームを団結させた姿勢は称えられるべきであろう。しかし、チームの根本的な課題は最後まで解決させることが出来ず、ACL敗退という大きな喪失感に見舞われていたチームにカンフル剤を投入する意味合いもあって、2017年5月に石井さんは解任となった。

・大宮での石井正忠

 現在の大宮は非常に厳しい状況にある。残り3試合で残留圏内との勝点差は4。他会場の結果次第ではあるが、次節敗れると降格の可能性もある、まさしく崖っぷちだ。

 今の大宮の課題はボールは持てているにもかかわらず、攻めの形がサイドからのクロスがほとんどで、ボールポゼッションの割にチャンスが圧倒的に少ないことにある。石井さんがまず向き合わなければいけないのはこの問題であろう。守備は決して大崩れはしていないだけに、効率よくゴールが奪えるようになれば、ここから上昇していくことも可能だろう。

 ただ、この状況での監督就任から察するに、石井さんには来季のディビジョンがどうであれ、2年目の指揮も任されることになるだろう。ここからが石井さんが監督としての力量を試される場になるのは間違いない。

 鹿島の場合、良くも悪くもチームのスタイルがハッキリしており、それに合わせた選手構成がされている。ただ、他のクラブではそうしたチームのスタイル作りから、選手構成まで一からフロントと協力して行わなければならない。ただ、これはあらかじめレールがある程度敷かれていた鹿島と違い、レールを敷くところからスタートしなければならないものの、自分の手で自分の思うようにレールを敷くことが出来るため、より監督に与えられる権限は大きなものになってくるだろう。そのため、監督の力量次第で、クラブの命運は大きく左右されてくる。

 個人的に思うに、今の大宮のメンバーなら、完璧とは言えなくても、石井さんのサッカーを体現できるだけのメンバーは揃っていると思う。また、次の試合まではまだ1週間以上あり、シーズン途中の監督交代にしては、比較的時間が与えられている方だろう。それだけに、残り3試合勝って、J1残留する可能性も低くはないと思っている。また、来シーズン開幕まで今季の鹿島とは違い、時間は大きく残されている。今のチームから大きく上積みして、ステップアップすることも可能なはずだ。

 過去、鹿島のOBが他クラブの監督に就任した際の実績は決して良いとは言えないものがある。ただ、今回の石井さんはその過去を払拭する可能性は十分あるはずだ。どんなチームを作り上げていくのか、注目して見守りたい。

大宮の石井さん就任以降の予想布陣
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 前節、アウェイで札幌に2-1で競り勝ち、首位をキープした鹿島。ここからホーム連戦となる今節は他会場より2週間早く、ホームに浦和を迎え撃つ。

 浦和は現在7位。監督交代も経験し、目標の優勝はおろかACL出場圏内となる3位以上も厳しい状況にあるが、ACLでは日本勢9年ぶりとなる決勝進出を果たし、リーグ戦もここ6試合では負けなしとなっている。鹿島は今季すでに浦和と3度対戦しており、2月のゼロックス杯では3-2、5月のリーグ戦では1-0、9月の天皇杯では4-2といずれの試合も勝っている。

 堀監督就任後の浦和は4-1-4-1にシステムを変更しているが、チームの根幹に変わりはない。攻撃では常に数的優位を作り、そこから流動的なコンビネーションで崩しにかかる形を抑えなければ、鹿島に勝利はないだろう。その中で、中央から運動量豊富に動き回りボールに絡んでくる柏木と長澤のインサイド、サイドから裏抜けや突破に絡みつつ、フィニッシュワークも担う武藤とラファエル・シルバのSHに注意しなければならないのはもちろんだが、特に注意しなければいけないのはトップに入る目下得点王のエース興梠だ。彼が自由に動きながら、ポストプレーで起点を作り、スペースを作り出すことによって、浦和の攻撃は活性化してくるだけに、彼の動きを制限することが、鹿島の勝利への一つの道となるだろう。

 攻撃で狙いたいのは、浦和の守備陣の距離感を広げることだ。浦和は元々守備陣にカバーリングの意識が薄く、ボールを動かされた時のポジションの修正が遅れることが多い。特に狙いたいのはSBとCB、アンカーの三角形で結んだところの中のスペースだ。ここのスペースを空けさせ、使うことが出来れば、一気にゴールに迫ることが出来る。前節の札幌戦の金崎のゴールも、山本がそのスペースでボールを受け、スルーパスが出たところからゴールが生まれている。遠藤康が先発に復帰したことで、攻撃に緩急がつけられるようになってきた。相手守備陣への揺さぶりに期待したい。

 公式戦では対浦和4連勝中だが、カシマスタジアムでは2010年以来勝ちがない。7年ぶりの勝利で、今こそ優勝への大きな一歩を踏み出す時だ。
   
明治安田生命J1リーグ 第32節
鹿島アントラーズ鹿島アントラーズ浦和レッズ浦和レッズ
11月5日(日) 14:00キックオフ
県立カシマサッカースタジアム


試合情報(鹿島公式サイト)
スタジアムの天気
DAZN 放送予定(13:50~)


[鹿島の前節ハイライト]


[対戦相手の前節ハイライト]


[予想フォーメーション]
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[予想スタメン]
<鹿島>(1位) ※は累積警告
GK
21曽ヶ端準
DF
22西大伍■■
5植田直通
3昌子源
16山本脩斗
MF

4レオ・シルバ
20三竿健斗
25遠藤康
11レアンドロ■■
FW

8土居聖真
33金崎夢生
SUB
GK1クォン・スンテ
DF24伊東幸敏
MF6永木亮太■■
MF13中村充孝
MF40小笠原満男
FW9鈴木優磨
FW14金森健志
監督
大岩剛

欠場予想選手
MF田中稔也(右第5中足骨骨折で欠場濃厚)
FWペドロ・ジュニオール(別メニュー調整中で欠場濃厚)
FW安部裕葵(U-18日本代表で欠場)

前節と同じスタメンで臨む模様だ。

<浦和>(7位) ※は累積警告
GK
1西川周作
DF
6遠藤航
22阿部勇樹■■
2マウリシオ
5槙野智章
MF
16青木拓矢
9武藤雄樹
10柏木陽介
15長澤和輝
8ラファエル・シルバ

FW

30興梠慎三
SUB
GK25榎本哲也
DF4那須大亮
MF3宇賀神友弥
MF7梅崎司
MF39矢島慎也
FW13高木俊幸
FW21ズラタン
監督
堀孝史


欠場予想選手
なし

前節から1人変更予想。CBにマウリシオが入り、槙野が左SBに回る。




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 水曜日の天皇杯では、後半終了間際に追いつかれ、PK戦の末に敗れて公式戦連敗を喫した鹿島。今節は中3日で札幌とのアウェイゲームとなる。

 札幌は現在13位。シーズン前から残留を目標に掲げ、勝点を着実に積み上げてきた。中でも、ここ2試合は柏とFC東京相手に連勝。今節の結果次第ではJ1残留が決定する状況にまで持ってきている。

 札幌というチームの武器はやはり福森の高精度の左足と前線の都倉、また夏に加入したジェイのパワーと高さだろう。この3人の力を活かしたチーム作りがなされ、その力をぶつけられるからこそここまで勝点を積み重ねられているのだ。守備では3バックで中央の堅さは残しつつも、積極的にボールを前線から奪いにいき、また奪ったボールは素早く前線の都倉やジェイに預けて起点を作り、そこから攻撃を仕掛けていく。そこでゴールに繋げられなくても、セットプレーを奪って福森の左足を活かす。はっきり言えばやり方はわかりやすいチームであるし、抑えどころもはっきりしているのだが、分かっていても止められないのが彼らのパワーなのである。

 現在、流れの悪い鹿島にとってまず大切なのは、不用意なボールロストをなくすことにあるだろう。今節は鹿島がボールを握る時間が多くなることが予想できるが、その中でミスからボールを失ってカウンターを受けたり、そこからのセットプレーで失点してしまうのは相手にとって思うつぼだろう。無理に繋ぐことに固執せずに、前線の選手目掛けてシンプルにボールを蹴り込んでいくやり方も必要になってくるかもしれない。また、札幌の守備陣と鹿島の攻撃陣を考えると、個々の力では鹿島に分があるはずだ。前回対戦でも活躍したペドロ・ジュニオールやレアンドロの一発にも期待したい。

 公式戦連敗、川崎Fとの勝点差は2といよいよ余裕がなくなってきた。ただ、まだ首位にいることも、残り4試合勝てば優勝できることも事実。まずはこの流れを変えたいところ。そのためにも、何としてでも勝点3が必要なゲームだ。今節が今季を左右する一戦になりそうだ。
 
明治安田生命J1リーグ 第31節
北海道コンサドーレ札幌image
鹿島アントラーズ鹿島アントラーズ
10月29日(日) 16:00キックオフ
札幌ドーム


試合情報(札幌公式サイト)
スタジアムの天気
NHK総合 放送予定(16:00~)
DAZN 放送予定(15:50~)


[鹿島の前節ハイライト]


[対戦相手の前節ハイライト]


[予想フォーメーション]

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[予想スタメン]
<鹿島>(1位) ※は累積警告
GK
21曽ヶ端準
DF
22西大伍■■
5植田直通
3昌子源
16山本脩斗
MF

4レオ・シルバ
20三竿健斗
25遠藤康
11レアンドロ■■
FW

8土居聖真
33金崎夢生
SUB
GK1クォン・スンテ
DF24伊東幸敏
MF6永木亮太■■
MF13中村充孝
MF40小笠原満男
FW7ペドロ・ジュニオール
FW9鈴木優磨
監督
大岩剛

欠場予想選手
MF田中稔也(右第5中足骨骨折で欠場濃厚)

天皇杯から7人入れ替える見込み。右SBに古巣対戦となる西、CBは植田が入り、ボランチもレオ・シルバと三竿健のコンビに戻る。また、2列目のレアンドロと前線の金崎も復帰する。

<札幌>(13位) ※は累積警告
GK
25ク・ソンユン
DF
15菊地直哉
2横山知伸
24福森晃斗
MF
10宮澤裕樹
27荒野拓馬
26早坂良太
32石川直樹
9都倉賢
18チャナティップ
FW

48ジェイ
SUB
GK1金山隼樹
MF4河合竜二
MF6兵藤慎剛
MF44小野伸二
FW13内村圭宏
FW22金園英学
FW38菅大輝
監督
四方田修平


欠場予想選手
DF濱大耀(左膝軟骨損傷で欠場濃厚)
MF深井一希(左膝前十字靭帯断裂、左膝内側半月板損傷、左膝外側半月板損傷で欠場濃厚)
MFマセード(左ふくらはぎ痛で出場微妙)
FWヘイス(右ふくらはぎ痛で出場微妙)

前節と同じスタメンで臨む模様。前節欠場した兵藤も復帰して、ベンチ入りが濃厚だ。





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