タケゴラ

鹿島アントラーズのことを書いています

 鹿島の広島対策は序盤からハマった。2シャドーをボランチが監視し、時に6バックの形になって守るやり方は広島のシャドーへの縦パスを封じることに成功。また、パスの出し手となる柴﨑を土居がしっかりとマークし、フリーにさせなかった。佐藤が興梠と違ってキープ力がないこと、広島の両脇のCBが上がらなかったことも味方し、前半は完全に鹿島のペースだった。9分に柴崎の縦パスを中村が落とし、カイオがDFの股を抜く技ありシュートで先制に成功。鹿島の両SHが中に絞ってプレーしたため、広島の両脇のCBがそれに対応せざるを得ず、サイドの裏のスペースを効果的に使うことが出来たのが攻撃面では大きかった。得点後にも訪れた決定機をダヴィや土居は決められなかったが、広島に決定機を作られることもなく、良い形で前半を終えた。

 後半になると広島が動く。ポストプレーに長けた皆川とサイドの突破力があるミキッチを投入。サイドの突破で打開を図り、中央で起点を作ることによって縦パスを入れやすくするのが意図のこの交代が当たることになる。前半が速い展開だったこともあり疲労でズレが出てきた鹿島守備陣に対し、広島が圧力を強め、55分に塩谷から渡ったボールを皆川が粘って繋ぎ、柏が押し込んで同点に追いつくことに成功した。

 嫌な流れだった鹿島だが、L・アルベルトの投入によって守備を修正。さらに、66分にはそのL・アルベルトが土居とのワンツーで中央でボールを受けるとDFをかわしてゴールを奪い、早い時間で勝ち越しに成功する。そして、70分には小笠原のCKを西がダイレクトボレーで合わせるスーパーゴールを叩き込み、大きな3点目を奪う。その後は前がかりになった広島に対し、カウンターが炸裂。81分には柴崎のドリブルからダヴィ、83分にはダヴィのドリブルから柴崎がゴールを奪い、最終的には今季最多の5得点を挙げてリーグ戦中断明け後初勝利を挙げた。

 鹿島の勝因としては守備が上手くハマり、一旦崩れかけてもL・アルベルトの投入でしっかり修正出来たこと。そして、明らかに本調子でない広島の守備陣を鹿島攻撃陣が翻弄し続けたことが挙げられるだろう。これによって去年は1度も勝てなかった浦和、広島に今季は2勝1分と負けなしである。最大の苦手を払しょくした今、鹿島の反撃が始まる。

[試合記録]
2014 Jリーグ ディビジョン1 第18節
2014年8月2日(土) 18:30キックオフ
県立カシマサッカースタジアム 入場者数:16632人

鹿島アントラーズ鹿島アントラーズ
-1サンフレッチェ広島サンフレッチェ広島

[得点経過]
・9分 <鹿島>カイオ(今季4点目 アシスト:中村充孝)
・55分 <広島>柏好文(今季2点目 アシスト:皆川佑介)
・66分 <鹿島>ルイス・アルベルト(今季2点目 アシスト:土居聖真)
・70分 <鹿島>西大伍(今季1点目 アシスト:小笠原満男)
・81分 <鹿島>ダヴィ(今季7点目 アシスト:柴崎岳)
・83分 <鹿島>柴崎岳(今季4点目 アシスト:ダヴィ)

[ハイライト動画]


[警告・退場]
34分 <広島>柴﨑晃誠(警告
48分 <鹿島>中村充孝(警告 累積1枚目
48分 <広島>石原直樹(警告
67分 <鹿島>柴崎岳(警告 累積1枚目

[フォーメーション]
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[出場記録・寸評]
<鹿島>
GK
21曽ヶ端準 6 失点はノーチャンス。誕生日を勝利で飾る。
DF
22西大伍 6.5 守備の軽さは気になったが、スーパーボレーで3点目を奪う。
23植田直通 いい意味で目立たず。良く体を張った。
15昌子源 失点シーンはクリアしきれずも、4点目の起点となるロングパス。 
16山本脩斗 6 失点シーンの対応は課題だが、柏とミキッチ相手にサイドを破られず。

MF
20柴崎岳 7 3得点に絡む活躍。トップ下に入ってからの動きは圧巻だった。 MOM
40小笠原満男 6.5 守備のタスクをしっかりこなした。3点目はしてやったり。 
→DF5青木剛(84分) - 久々の出場も落ち着いてプレーした。
33カイオ
 6
1点目のシュートは見事も、その他の場面のミスがもったいない。
→MF32杉本太郎(84分) - 出場時間短く、プレー機会が少なかった。
13中村充孝
 6.5
1点目をアシストしただけでなく、動きにキレがあり攻守に貢献度大。
→MF8ルイス・アルベルト(63分) 7 守備の修正を果たし、流れを引き戻す2点目も決めた。
28土居聖真 6 決定機を外しゴールには絡めずも、正確な技術と献身的な守備を見せた。
FW
11ダヴィ 6.5 外したシュートも多かったが、コンディションの良さもあって1ゴール1アシスト。

監督
トニーニョ・セレーゾ 7 広島対策がハマり、L・アルベルト投入も的中した。

<広島>
GK

13増田卓也 5
DF
33塩谷司 4
5千葉和彦 4
4水本裕貴 4.5
MF
18柏好文 6
30柴﨑晃誠 5
8森﨑和幸 4.5
16山岸智 5
→MF14ミキッチ(HT) 6
9石原直樹 5
10高萩洋次郎 5
→MF7森﨑浩司(77分) 5.5
FW
11佐藤寿人 4
→FW22皆川佑介(HT) 6.5
監督
森保一 5

<主審>
扇谷健司 
6.5 小競り合いもあったがしっかりと試合をコントロール。カードも妥当。

2014シーズン 鹿島アントラーズ 試合日程 
日付キックオフ対戦相手会場
第19節8/9(土)19:00名古屋豊田ス
第20節8/16(土)18:30甲府カシマ
第21節8/23(土)18:00清水アイスタ
第22節8/30(土)19:00FC東京カシマ
第23節9/13(土)18:00大宮熊谷陸
第24節9/20(土)19:00横浜FMカシマ
第25節9/23(火・祝)14:00仙台ユアスタ
第26節9/27(土)19:00徳島鳴門大塚
第27節10/5(日)12:30G大阪カシマ
第28節10/18(土)14:00カシマ
第29節10/22(水)19:00神戸ノエスタ
第30節10/26(日)19:00浦和カシマ
第31節11/2(日)16:00新潟デンカS
第32節11/22(土)14:00川崎Fカシマ
第33節11/29(土)14:00C大阪ヤンマー
第34節12/6(土)15:30鳥栖カシマ

2014年 日本代表 試合日程 青字は未確定部分 
試合日付キックオフ対戦相手会場
親善試合9/5(金)19:25ウルグアイ札幌ド
親善試合9/9(火)19:20ベネズエラ横浜国 ※日産ス
親善試合10/10(金)19:25ジャマイカデンカS
親善試合10/14(火)ブラジルシンガポール
親善試合11/14(金)(ホンジュラス)or(パラグアイ)豊田ス
親善試合11/18(火)(パラグアイ)長居 ※ヤンマー

2014年 U-21日本代表 試合日程 ※対象(招集経験ありの選手のみ):豊川、植田、伊東
・9月14日(日)~10月3日(金) アジア競技大会(仁川/韓国) ※最大1人のみ
→選ばれた場合、第23節大宮戦~最大で第27節G大阪戦の欠場が予想される

2014シーズン 明治安田生命J3リーグ Jリーグ・アンダー22選抜 試合日程
※対象:豊川、植田、伊東、宮内、小泉、杉本
赤字はその試合の当日に鹿島戦がある時、青字はその試合の前日に鹿島戦がある時
日付キックオフ対戦相手会場
第21節8/10(日)15:30福島とうスタ
第25節8/17(日)15:00盛岡盛岡南
第22節8/24(日)17:00YS横浜ニッパ球
第23節8/31(日)17:00藤枝藤枝サ
第24節9/7(日)17:00町田町田
第27節10/5(日)15:00長野佐久
第28節10/12(日)13:00相模原ギオンス
第29節10/18(土)13:00福島とうスタ
第26節10/26(日)13:00YS横浜BMWス
第30節11/2(日)13:00琉球沖縄市陸
第31節11/8(土)16:00金沢石川西部
第32節11/16(日)13:00鳥取とりスタ
第33節11/23(日・祝)13:00秋田A-スタ

 J1もいよいよ後半戦に突入する。中断後リーグ戦3引き分けと勝ちがない中で4位に踏みとどまっている鹿島は今節、勝点で並ぶ5位の広島との上位対決となる。ここまで決して悪い内容ではないが、首位浦和との勝点差を考えると勝ってこれ以上離されるのを避けなければならない一戦である。

 鹿島は広島対策として前節の浦和戦と同じやり方を採用するだろう。守備の時にボランチが2シャドーを監視し、時にCBの位置まで下がって守るやり方である。実際、浦和戦でもこのやり方で崩された場面は少なかったので、チームとして手ごたえを感じていることであろう。広島は浦和と違って、よりシンプルに最終ラインの裏を使ってくることが多いので、そこに警戒したい所である。また、浦和戦で課題となった最終ラインの選手が持ち上がった時の対応にも注意したい。

 攻撃面では広島は浦和ほど攻撃に人数をかけないため、守備ではきっちりと5バックのブロックを作って守ることが多い。こうなると簡単には崩せなくなるため、裏を狙った縦の揺さぶりと、サイドチェンジを使った横の揺さぶりを併用していきたい所である。また、広島は浦和と比べてビルドアップの精度に難があるため、積極的に前からプレスをかけて、奪った所から素早くショートカウンターを仕掛けてゆくのも有効であろう。

 前回対戦では鹿島が早い時間に先制点を奪えたことが勝利に大きく繋がった。今節も先制点は非常に重要なポイントであるだろう。今の鹿島としてはフィニッシュの精度が高くないだけに、何度もチャンスを作り出すことでゴールの可能性を上げていきたい。一方の守備では、広島は前回よりもサイド攻撃が強化されているだけに、サイドからのクロスには十分注意したいところである。8月を反攻の月とするためにも、必要なのは勝点3である。

2014 Jリーグディビジョン1 第18節
鹿島アントラーズ鹿島アントラーズサンフレッチェ広島サンフレッチェ広島
8月2日(土) 18:30キックオフ
県立カシマサッカースタジアム

試合情報(鹿島公式サイト)
スタジアムの天気
スカパー!放送予定(18:20~ スカチャン1)
スカパー!オンデマンド配信リンク(18:20~)

[対戦相手情報]
サンフレッチェ広島
5位 17試合7勝6分4敗26得点21失点
鹿島との対戦データ
2連覇中の王者として3連覇を目指して戦う今季は、ここまでACLとの過密日程に苦しみながら上位をキープしている。選手層の厚さを活かしたターンオーバーを上手く使いながら、積み上げたものを出せているのがその大きな要因だろう。ただ、リーグ再開後は1勝2分1敗といまいち波に乗り切れず、特に4試合で8失点と守備に不安を抱えている。それでも、皆川や柏といった新加入組が結果を出し始めているのは明るい材料である。鹿島と同じく首位浦和との勝点差は9。これ以上離されるわけにはいかず、前回敗れた鹿島には特に必勝態勢で乗り込んで来るだろう。

・直近5試合の結果
大会対戦相手会場スコア得点者
天皇杯2回戦福岡大福山○5-2(広島)野津田2、清水、塩谷、皆川
(福岡大)山崎2
J1第12節横浜FMEスタ×1-2(広島)石原
(横浜FM)齋藤、伊藤
J1第15節大宮NACK△3-3(大宮)ズラタン、ムルジャ2
(広島)佐藤2、石原
J1第16節Eスタ○5-2(広島)佐藤、高萩、柏、皆川、森﨑浩
(柏)工藤、狩野
J1第17節甲府Eスタ△1-1(広島)柴﨑
(甲府)クリスティアーノ

・鹿島との対戦成績(直近5試合、リーグ戦のみ)
会場スコア得点者
2012年
第3節
広島ビ× 広島 2-0 鹿島(広島)佐藤、大﨑
2012年
第19節
カシマ△ 鹿島 2-2 広島(鹿島)大迫2
(広島)佐藤、森脇
2013年
第3節
Eスタ△ 広島 0-0 鹿島
2013年
第34節
カシマ× 鹿島 0-2 広島(広島)石原2
2014年
第9節
Eスタ○ 広島 0-3 鹿島(鹿島)カイオ、土居、遠藤

[対戦相手の前節ハイライト]
J1第17節 △ 広島 1-1 甲府(得点者 [広島]柴崎 [甲府]クリスティアーノ)


[予想フォーメーション]
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[予想スタメン]
<鹿島>は累積警告
GK
21曽ヶ端準
DF
24伊東幸敏
23植田直通■■■
15昌子源■■
16山本脩斗
■■
MF
20柴崎岳
40小笠原満男■■
33カイオ
28土居聖真
19豊川雄太
FW
11ダヴィ
SUB
GK1佐藤昭大
DF5青木剛■■
MF8ルイス・アルベルト
MF10本山雅志
MF13中村充孝
MF27梅鉢貴秀■■
MF32杉本太郎
監督
トニーニョ・セレーゾ

欠場予想選手
DF西大伍(蓄積疲労で別メニュー調整のため出場微妙)
MF遠藤康(7月24日の練習で足を負傷し欠場濃厚)
MF野沢拓也(仙台へ完全移籍
FW赤﨑秀平(左膝内側靭帯の部分断裂で出場微妙)
MF宮内龍汰(J3 J-22選抜に参加

右SBは蓄積疲労もあって今週別メニュー調整だった西に代わって、ケガの癒えた伊東がスタメン復帰となりそう。2列目は遠藤が今節も欠場濃厚なため、今節も右にカイオ、左に豊川となるだろう。ただ、中村や杉本がスタメンの可能性もある。ベンチには青木が久々にベンチ入りすると予想。その他にもベンチ入りの可能性があるのは山村、中田、前野らか。

【KEY MAN】
MF土居聖真
…中断明けから調子は悪くないものの、ここまでゴールもアシストもなし。守備面での貢献が光っているが、やはり魅力は攻撃面。結果が欲しいところだ。野沢の移籍で同じユース育ちのMFとして期するものもあるはず。

<広島> ※()は2014年リーグ戦の記録
GK
13増田卓也(0試合0失点)
DF
33塩谷司(16試合5得点)
5千葉和彦(13試合1得点)
4水本裕貴(17試合0得点)
MF
8森﨑和幸(16試合0得点)
30柴﨑晃誠(12試合1得点)
18柏好文(12試合1得点)
16山岸智(9試合1得点)
9石原直樹(17試合5得点)
10高萩洋次郎(16試合1得点)
FW
11佐藤寿人(17試合7得点)
SUB
GK21原裕太郎(0試合0失点)
DF2ファン・ソッコ(10試合0得点)
MF7森﨑浩司(8試合1得点)
MF14ミキッチ(10試合0得点)
MF25茶島雄介(0試合0得点)
MF27清水航平(7試合0得点)
FW22皆川佑介(3試合1得点)
監督
森保一

欠場予想選手
MF青山敏弘(腰痛で欠場濃厚)
FW浅野拓磨(左恥骨疲労骨折で欠場濃厚
GK林卓人(腰痛で欠場決定

3バックの一角をファン・ソッコに代えて千葉が先発復帰すると予想。サイドはミキッチが右サイドに入り、柏が左に回る可能性もある。その他にベンチ入りの可能性があるのは、パク・ヒョンジン、野津田らか。
→守護神の林が腰痛で遠征に帯同しないことが決定。代役は増田となり、原がベンチに入る。

【要注意選手】
MF高萩洋次郎
…卓越したキープ力とパスセンスで広島の攻撃をけん引する司令塔。この男に高い位置でボールを持たせると一発で裏に通されてピンチになる確率が高いだけに、前節の浦和戦のような守備を徹底し、なるべくボールに触らせないようにしたい。

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